アナザー本編
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「見つける!なんて宣言しちゃったけど……ここがどこかもわからない!」
名前しかわからないのにどうやって探すのよ自分!バカなの!?
「今は…朝十時半ってとこかな」
携帯で時間を確認してから辺りを見回す。ここが公園なのはわかる。でもこの公園が池袋のどのあたりなのかが全く見当がつかない。
「すいませーん」
近くにいた所謂痛車の運転手らしき人がそのワゴンの前でぼーっとしていたから話しかけてみた。
「誰だあんた、なんか用か?」
「あの、ここがどこか教えてもらいたいんですけど…」
「ここ?ここは南池袋公園だけど?」
私はカバンから地図を取り出して広げて探す。南池袋公園の名前を見つけて、今どこにいるのかやっと理解した。
「ありがとうございました、おかげで道もわかりました!」
「別にいいけど、あんた池袋くんの初めて?」
「いえ、三歳の時まで池袋に住んでました」
ワゴンの人は軽く「ふーん」と声を漏らし、私の後ろに視線を変えた。
振り向いてみたら、遠くからニットみたいなのをかぶった人と、パーカーを着た人と、帽子をかぶった女の人が歩いてきていた。
「渡草、待たせたな」
「あれぇ?渡草さんナンパですかぁ?」
「ちげーよ」
「もしかして逆ナンとか??」
「それもちげーよ、ここがどこかって聞かれただけ」
なんだかこの雰囲気ついて行けない…。特に女の人とパーカーの男の人テンション高めだし…。
「あの、ちょっといいですか?」
「ん?」
「私、人を捜してて…。平和島静雄って人知ってますか?」
私が聞いたとたんに四人は目をきょとんとさせた。パーカーの人は目が細くてよくわかんないけど驚いてる感じがする。
「ねぇねぇドタチン、平和島静雄って…あの平和島静雄?」
「しかないだろ、珍しい名前だし」
「あの…知ってるんですか?」
「知ってる、俺の同級生だからな」
「マジですか!?」
「お、おう。」
いきなり当たり来たー!
私すごい!
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