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□あなたの見る夢
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「誰の夢にも入れるのか、ねえ…」

視界が揺れる。
ここは、私の夢。目の前にはナイトメアがいて、私は彼と現実世界さながらに話をしている。
この世界に来てから幾度目かの悪夢にさいなまれていた所に、彼が現れて救い出してくれた。
まだ起きるには早いからと、ナイトメアは私の話し相手になってくれている。

「そうだな、会いに行こうと思えば行けるだろうな。
中には拒絶の激しいのもいるが…」
「へえ」

それは凄い。さすがに夢魔と呼ばれるだけはある。

「そうだろう?尊敬するだろう!
私は凄いんだぞ」
「そういう事言うから…色々と台無しなのよ」
「君はまったく、素直だな」

隻眼の夢魔は夢の中で王のように振る舞う。今のがもし現実世界なら、彼はむくれて文句を言っていた所だろう。
今は夢の中。彼のテリトリーにいる。
私の悪態など歯牙にもかけない表情で、軽く肩を竦めた。
 
「で、君は『誰』の夢を聞きたいんだ?」
「…」

とっくにわかってるくせに。
ニヤニヤしたナイトメアに言っても、なんだかまともな答えはなさそうな気がしてきた。

「ピアスの猫いっぱい、って夢も気になるけれど…」

自分がイヤになる。
彼の夢には…何が住んでいるのか。なんて…


『あなたの見る夢』



 
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