† 両手の言の葉 †

□紙ヒコーキ
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【紙ヒコーキ】



蒼々とした空の下

紙ヒコーキに乗せて
想いを飛ばした
この紙ヒコーキに
想いを託した
風に舞う


届かない思いの代わりに
空へ昇った紙
あんなに脆くても
持って行ってくれた

どうか
私の手から離れて下さい
どうか
二度と思い返すことのないように飛んで下さい
どうか
届かないところへ云って下さい


飛んでけ 飛んでけ
あの空の彼方まで
翼があるのなら
おもいっきり羽ばたいて

私の想いも連れてって
廻って 廻って 散りばめた



風が包み込む
空飛ぶ紙ヒコーキ
綴った言葉
折り畳んだ想い
運んだ傷み


さよなら さよなら
飛んだ風景 背を向けた
振り返らないよ 
明日をまた背負うから
生きるから



風は 心をさらって
流れていった
雲は 滴を覆って
弾けた
空は 木霊して
鳴いた





空飛ぶ紙ヒコーキ
高く高く 飛んで
ずっとずっと 遠くまで
蒼の果て 碧の間
堕ちて 消えた
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