捧げ物・頂き物

□ひなたぼっこ
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朝飯を食べるのもだるくて、疲労感や虚しさで、鞄をほうり投げ、ラグに突っ伏した。
ふかふかのラグは、彼女がこまめに掃除してくれるおかげで綺麗だった。

ああ、あいつの匂いがする。

「陽菜……」

ここにはいない、愛しい人の名前を呼んで俺は眠りに落ちた。











どのくらい経ったんだろう。
サラサラと髪をすく手が心地よくて、また眠りそうになったが、その手が陽菜でしかありえないことに、慌てて目をあけた。

「陽菜…いつ帰ってきたんだ?」

「ん…1時間くらい前?圭ちゃんこそ、いつ帰ってきたの?」

「たぶん7時半くらい」

時計を見れば、午後の2時だった。どんだけ寝てんだ。

陽菜は俺の頭のあたりにちょこんと体育座りして、相変わらず髪を梳いていてくれる。
太陽の光がポカポカとあったかい。眠い目をこすって、俺は陽菜を見上げた。

「仕事は?」

そう聞くと彼女は苦笑いした。

「今日は午前だけ。この間、佐々木さんの代わってあげたから、今日は私がおやすみ。」

えへへ、と笑う陽菜。
もしかして、記念日を同じように楽しみにしていてくれたんだろうか。
だったら嬉しい。
俺は愛しくて愛しくてしょうがなかった。

「そういえば、まどかに偶然会ってランチしてきたの。圭ちゃんご飯食べた?」

まだだった。そう言われると唐突に腹が減ってくる。

「まどか…って、ああ、おまえと仲のいい…」

陽菜との会話でたまに出てくる名前だ。今は高校で保険医だっけか。
いつも陽菜が興奮して、「すっごい美人なんだよ!」と言うけれど、俺はそんな彼女が可愛らしくて、抱きしめたくなる。

そんなことを思い出していたら、陽菜はなんでか黙ってしまった。
顔を体育座りした膝の間に埋めている。

「どうしたんだ?」

「んー…、2年経ったんだなぁって」

「そうだな」

「…圭ちゃんはさ、なんであたしと付き合ってるの?」

それは本当に突然の質問だった。
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