秘密請負人
□―出会いと仕事―
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「血……血が喉を潤す…。」
喉を鳴らし、恍惚と顔を緩ませた異形の者が一人。
隣には学生服を着た少女が横たわっている。
夜の空を見上げながら、目を月と同じ色に輝かせる。夜風が冷たく頬を撫でていく。
途端に興奮状態にあった自分が正気に戻っていくのを感じた。
唇に手で触れると、触れた指が紅く染まっている。
ざり、と
背後で砂利を踏む音。
振り返れば見知らぬ男。
その男は異様な状況にも、異形の自分を見ても動じない。
それどころか口元に笑みを浮かべていた。
そして一言
「これはこれは…、大した秘密ですね」
と。