耽溺クライシス
□お買い物
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「これはどう?」
『乱菊さん、さっきから露出高いものばっかだよ』
「そう?」
乱菊さんは「ちぇ」と呟いて赤の紐ビキニを元に戻した。
『乱菊さんは、どういうの?』
「あたし?あたしは紐ビキニよ」
『あーはいはい』
「なによぅ、その反応」
だって、絶対そうだと思ったもん。
「なにか良いやつあった?」
『んー・・・』
私は手当たり次第に水着を捜した。ワンピース型でもいいし、ビキニでもいい
。
「景莉!景莉!」
『はあい?』
乱菊さんに手招きをされ、乱菊さんの方に向かった。
「これは?」
『乱菊さん、それ隠せるものも隠せないよ』
「大丈夫よ」
いやいや、大丈夫じゃないよ。
それあれだよ。大事なところ隠すところVだよV。普通のVじゃなくてそれはもうIだよ。I。
んー。それにしても。見つからない。
修兵はどういうのがいいんだろう。やっぱ露出高いやつかな。でも着たくないなぁ。乱菊さんみたいにあんなにナイスなおっぱい持ってないし。
「あんた、自分の体に自信ないわね?」
『エスパー?』
「あんたおっぱい大きいから安心しなさい」
『乱菊さんに言われても・・』
「大丈夫よ。あんたEかFはあるわ」
『透し能力?』
乱菊さん、なんだかセクハラ発言だよ。それ。
あー。修兵は何がいいのかな。あれ、なんか私、修兵からの印象ばっか考えてるや。まあ、いいか。なんか乱菊さん鼻歌唄ってるし。
「んー、いいのあるのに景莉が拒否るからぁ」
『誰だってあんなの拒否るよ』
「そんなことないわよ」
『まず、乱菊さん。その右手に持ってる水着は拒否ね』
「ちぇっ」
「ちぇっ」って可愛いな。乱菊さんは可愛いより綺麗の方だなぁ。あたしがどんな水着きたって乱菊さんには勝てない気がする。
『むー・・・』
口を少し尖らせ、唇に人差し指を置いて水着を選んだ。すると横からパシャっというシャッター音がなった。
『は?』
「あら、かわいい」
ちょ、乱菊さん。なに写メ撮ってんの。ここ撮る空気じゃないよ。え、何保存してる。ちょ、ちょっと。
『ららら、乱菊さん?』
「景莉があまりにも可愛い顔してたから撮っちゃった」
『撮っちゃったって・・』
「修兵に送ったから」
『はい!?』
どこの高校生ですか!
「まあまあ、早く選びましょ」
『え、ええ?!』
もう、あきらめよう。乱菊さんには敵わないさ。
『あ、』
私は白いビキニに目がついた。シンプルは好きだし。胸と胸の間にある大きな真っ白なリボン可愛いし。
「いいのあったの?」
ずいっと私の顔の横から乱菊さんが顔を出した。
『これ、どうかな』
「あらいいじゃない。それにしましょ」
『うん』
私はそのビキニを取って会計に向かった。修兵、可愛いっていってくれるかな。
「景莉!やっぱこれは?」
『しまってください』
貴女を意識した買い物
(んあ?乱菊さんからメールきてる)
(・・・・・・・)
(可愛いじゃねえかちくしょぉぉ!!!)