short

□手
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『寒っ・・・』


「マフラーも手袋もしてんじゃねえか」


『冷え性だもん』


「気の毒にな」


『もっと彼氏らしいこといいなよ、大丈夫か?とか』


「悪かったな」


なんとなく景莉の頬に触れた
冷てぇ・・。

触れた手を離した



『あぁ!離さないでよお!暖かかったのに』



「俺も寒いんだよ」



『むー・・・』



景莉の顔を見たら頬を膨らまして拗ねてた
やばいくらい可愛い。
鼻の頭真っ赤になってる・・。
よほど寒いんだろうな





「ほら、手」



『手?』



「さみぃんだろ?」




『いいの?』



「繋ぎたくねえのか?繋ぎてえのか?」



『繋ぎたい!!』



「ほら、」



『あ、ちょっとまって!』


景莉は片方の手袋を外し始めた
裸体になった手で俺の手を握った



「かわいいことするじゃねえか」


『こっちのほうがあったかいもん』



「ちっせー手だな」


『修兵が大きいんだよ』



「女って感じだな」


『女ですもん』



「可愛い」



『・・・・よく恥ずかしいこといえるね』



「景莉だからな」



『あたしって愛されてるね』



「気付くの遅ぇよ」



『冬も悪くないね』



「そうだな」












繋いだ手と手


(あぁ、家着いちゃう)
(こたつに入れるぞ?)
(離すのがいやなの)
(奇遇だな、俺もだ)






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