耽溺クライシス

□寝言
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「あー、良い湯だった」


『おっさんですか』


「寝ようぜ」


『なんでそんなにウキウキなの。いつも一緒に寝てるじゃん』


「いっつも景莉寝んの早えんだもん。でも・・今回はちょっと一緒にいれんじゃん」


『顔やらしい』


「いつもだ」


『早く布団入りなよ。暖めて置きました』


「熱いのかよ、嫌だな」


『馬鹿、ありがとうっていうの。そういう時は』


すいませんでした。

でも、すっげぇ頭の中は嬉しがってる。





『やっぱ寝れない』


「わっしょい」


『あー寝たいよーっ。昼寝すんじゃなかった』


「子守唄いる?」


『もっと寝れない』


「昼は歌ってって言ってたじゃねえか」


『気が変わったの』


「頭撫でてやろうか?」


『よろしくお願いします』




『あー・・寝れそう』


「そりゃよかった」


ホントに眠そうだな・・。

俺の手の効果すげえ。ゴットハンドじゃん



「あれ、まぢで寝た!?」


寝息立てていらっしゃる。


「うわ、まぢか。」


寝んの早くねえか?



『・・・ん・・修・・兵』



「・・・ん?」


顔を覗き込んだ。
完璧に寝ている

寝言だ。


「夢にまで俺出んのか」


さすが、俺。


「景莉さーん」


「景莉ーっ」


『しゅ・・ぅ・へー』


「いや、俺ここだから。」



うわー。


何かむかつく。



「俺・・夢の自分に負けてる」


夢の自分に景莉を独占されてる


「腹立つ」




「景莉ーっ、夢の俺よりこっちの俺のほうがいい男だぞ」



「夢の俺に負けるなー」



『んー・・しゅー・・へい』



「それ夢の俺だろー?こっちの俺を呼べ」





ちょ、夢の俺。

俺の景莉を返してください








彼女の知らないところで嫉妬する


(起きろーっ)
(修兵うるさい!)
(寝言で怒られた)







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