耽溺クライシス

□人さらい
1ページ/1ページ






「景莉!」


『わっ!ビックリしたぁ』


「酒臭っ!!阿散井も吉良もベロベロじゃねえか」


「あら、修兵じゃない。一緒にどう?」


呑みたい!けど、我慢だ。

くっそー愛しの焼酎。





「・・・・・・・・・・・遠慮するっす」


良く言ったぞ俺。


「景莉帰るぞ」


『楽しんでたのに』


「景莉は酔っ払い二人に抱きつかれてるのが楽しいのか?」


『それは別』


「帰るぞ」


『この二人どかしてよ』


景莉から二人を剥がした。



「んじゃ拉致しますね」


「お好きにどうぞォ」


「今度景莉を誘うときは俺の事も呼んで下さい」


「呼ばなくてもくるんでしょ、あんたは」


「じゃ」





『あたしって拉致されたの?』


「拉致されたの」


『売り飛ばさないでよ』


「なんでそうなる」


『値段高くしてね』


「どんぐらい?」


『1億』


「0を8個消せ」


『え?待って。それ何円なんの?』


「小学生か」


『ちょ、馬鹿にしないで』


「指使ってる時点で終わってる」


『あー修兵うるさい。わかんなくなっちゃったじゃん』


「おーおーすいませんね」


『えっと・・あれ?いち、じゅう、ひゃく・・』


「なんで朝から居酒屋いたんだよ」


『なんか乱菊さんから呼ばれた』


「行くなよな」


『別に良いじゃ・・ちょっと!わかんなくなった』


「わりーわりー」


『いち、じゅう、ひゃく・・・』


「あ、景莉の飯ちゃんと味わってねえ」


『えーっ、折角作ったのに』


「味わって食べるから今日の昼作って」


『めんどく・・ちょっと、わざと?わざとでしょ。わかんなくなったじゃん』


「だんだん楽しくなってきた」


『ドS』


「んで、何円になった?」


『えと・・いち、じゅう、ひゃく・・』


「なあ」


『うるさい。ってかひゃく、せんの後ってなんだっけ』


「万じゃね?」


『万なの?万だっけ?なんか万だと違和感ある』


「まんまんうるせーよ」


『1億ってゼロ何個?』


「そうくるか」










1円ですよ、お嬢さん

(もういいや)
(あきらめんなよ)
(修兵は心配になって拉致しに来たの?)
(おう)
(あたしが危険になったら拉致してね)
(拉致って言い方いやだな)
(誘拐?)
(普通に助けに来てね♪っていえよ)
(その手があったか)








[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ