耽溺クライシス

□ご飯
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『修兵、お腹減った』



「作るか?」



『うん』


「その手じゃ無理だモンな」


『そのとおり』


俺は台所にたった



「何食いたいんだ?」


『ご飯』


「知ってるっつーの。」


『ごめん、冗談だって。んじゃあ赤飯』


「祝い事か」


『退院祝い的な』


「めんどくせーよ」


『なんならいいのさ・・』


「簡単なやつ」


『お茶漬け』


「作り甲斐がない」


『めんどくさっ!』



「景莉、目玉焼きでいいだろ」


『それの方が作った気になれないよ』


「一体何がいいんだよ」


『筍ご飯』


「ご飯はいいからおかず言えよ」


『山菜』


「さっきから渋いな」


『注文したんだからいいじゃん』



「わあーったよ。作る作る」


『よろしくー』





『修兵はもう平気なの?』


「疲れて気絶しただけだからな」


『今は疲れてないの?』


「寝たから大丈夫」


『そっか』



よし、できた。



「できたぞ」


『早いね』


「ほらよ」



『目玉焼きじゃん』


「めんどくさいもん」


『今までのやりとりなんだったのさ』





「あら、随分質素なもの食べてるわね」


『んあ、乱菊さん』


「乱菊さんも食べます?」


「そんな質素なもの食べないわよ」


「失礼っすね。俺のお手製っすよ」


「景莉は幸せ者ね」


『いいでしょ』


「ええ、とても」


「景莉おかわり」


『自分でよそえ』


「いいじゃん」



「なんだか恋人というより夫婦ね。」


「未来的にはそうなってます」


『それって遠まわしの結婚しよう、ですか?』


「どうとってもいいぜ」


『んじゃスルーしとく』


「照れた?」


『少しね』







夫婦の会話

(今日の夜ご飯なに?)
(なにがいいんだよ)
(赤飯)
(それ以外な)








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