short

□名前なんかないのさ
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おれの弟はかわいいからとかじゃなくて
おれの弟は手が掛かるとかそんなんじゃなくて
まぁ少しはそれもあるけど
つまりおれがいいたいのは
「サボ!どうしたんだその傷?」
ルフィが心配そうにおれの顔を覗き込む
「ああ!これのことか
こんくらい大丈夫だルフィ」
肘におれ自身が気づかぬ程度のかすり傷があったそれになぜかルフィは一生懸命息を吹きかけていた、
「っ!いたいのいたいのとんでいけー!」
「ははは!なんだそれ」「これすっと痛くなくなるんだぞ!サボ知らねえのか?」
ルフィ酸欠を起こしたようでしりもちついてへたりこんでいた
「サボが痛いのはイヤだ」
「…おれもルフィが傷つくのはイヤだよ、」
本当はもっと何か別の言葉を言いたかった、
おれの弟は世話焼きじゃないんだ
おれの弟はおれをおれという個人を見ていて、おれのことを心配して、
つまりおれがいいたいことは…


(名前はまだない、) (言葉にすることができないだけで心では言えるもの)

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