短編

□鋭利な視線
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「かっ、神谷さん、お…おはようございますっ!!///」






「…はよ」




スタスタスタ








(やっぱ、ダメだった・・・)






神谷さんに憧れて学生時代から声優をめざし、
見事デビューし、最近は知名度も上がり始めた私。





デビューしてからわずか2か月で、夢にまで見ていた神谷さんとの初共演。







共演できるって聞いたとき、嬉しすぎて涙が止まらなかった。




そして、今。共演しているアニメの最終話の収録を控えている。




そこで冒頭に戻る。





毎回欠かさずにしてきた挨拶。



でも、初めてした時から、結局最後まで反応は変わらなかった。





「せめて目くらい合わせてもらいたかった、な…」






あたりまえだけど、神谷さんにとって私はどうでもいい存在なんだって嫌というほど思い知らされた。





それか、こんな新人と共演して、何度もリテイクを出されて面倒くさいと思われているかも知れない。








(こんな気持ちのまま最終話なんて撮れるのかな…)





泣きそうになるのを堪え、私もブースへ向かった。




















ーブースー




ブース内には神谷さんと小野さんと鳥海さん、鈴村さん、中村さん、杉田さんがいた。










男性と接することが苦手で、神谷さん以外の男性とはまともに話すことができない私にとって、
少し、いやかなり居心地が悪かった。







(とにかく、台本に集中しないと…;)







邪心を払うため、働かない頭で必死に台本を読み込む。










?「…さん、…野さん、中野さん?」







「・・・っえ_?」






頭上から私の名前を呼ぶ声がして、勢いよく見上げると・・・







鳥「中野さん?大丈夫??」






「と、と…とっ・・・!」








そこには、ずいぶんと離れた所にいたはずの鳥海さんが私を見下ろしていた。









鳥「えっ?(笑)どもってるけど大丈夫?」







優しく話しかけてきてくれるけれど、私は緊張と恐怖のあまり何も言葉が出なかった。










「ぁ、ぁ…っ…」






若干口が震え、冷や汗が垂れる。







するとそこに





鈴「鳥さんなんかしたんとちゃうの?
めっちゃビビられとるやん!」







「っ・・・・!!」






わたし達の様子を見ていた鈴村さんがやってきた







鳥「いやいやいや;だって中野さんと話すのってこれが初めてだもん、ね?」







「…ぃ、ぁっ…ぅっ…」




うわ言のように何かを言う私に、鈴村さんからも訝しげな眼で見られる






鈴「中野さん…?どないしたn、ってめっちゃ震えとるやん!」







私の様子に気づいた鈴村さんが驚きの声をあげる。







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