funny!!

□03
1ページ/3ページ






「は、はじめまして。鈴代雛希といいます。よろしくお願いします」




よく聞く自己紹介の台詞を並べて頭を下げる。少し間が空いてからぱらぱらと拍手が返ってくる。よかった、貴族っぽい自己紹介じゃなくても大丈夫みたいだ。…りりかは本当に『爆走蛇亜』で自己紹介するのかな。
ほっと一息つくと、隣に立っていた美緒ちゃんが同じように自己紹介を始める。
振り分けられたクラスは私と美緒ちゃん、碧ちゃんとりりかというものだった。バラバラにならなかったことに、心底安心している。榊さんが配慮してくれたのかな。




「じゃあ鈴代さんはあそこ、錦戸さんはそこね」




担任となった山田先生が指示を出す。指定された席は窓側から2列目の一番後ろだった。ラッキーだ。
はい、と返事をしてそれぞれの席に向かう。席に着くと隣の席の女の子からよろしくねと声をかけられた。




「うん。こちらこそよろしくね」

「わからないことがあったら何でも聞いてね」




おお…!いい子だ!
感動しつつ、少しその子と言葉を交わしてから前を向く。すると、今度は反対側から「なぁ、」声をかけられる。




「俺、忍足侑士いうねん。よろしゅうな」

「うん。よろしくね」




おしたり君。変わった名前だ。あと関西弁。関西から来る人もいるんだ。
今更ながらすごい学校に来てしまったと実感する。榊さんは出世払いしろと言っていたけど、生きている間に全額返済出来るのだろうか。
ぼんやりと借金のことを考えている内にHRは終わっていたらしい。いつの間にか自分の周りに人が集まっていた。これが転校生恒例の質問地獄というやつですか。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ