funny!!

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「んん?あり?こんなとこじゃなかったよね?」

「ええ…」




何ていうのかな、元いた所も普通の田舎っていうか、住宅街なんだけど、ここは全く知らない町だ。
というか、どう考えても超高級住宅街なんだけどここ!




「ちょっとりりか、携帯貸しなさい」

「うぇえ!?は、はい!」




唐突に美緒ちゃんに言われて、慌てて鞄からケータイを引っこ抜く。急いで手渡すと、すごい勢いでひったくられた。怖いよ!
そしてしばらく操作してから、深い溜め息を吐いた。




「………やっぱり…」

「おい、何がやっぱりなんだよ」

「…無理だと思うけど、落ち着いて聞いて」

「? うん」




道路のど真ん中に陣取って、円になるように向かい合う。
妙に緊迫した空気が、ボク達を支配する。




「…これは、あくまで仮説、だと思いたいんだけど」




そう前置きして美緒ちゃんが話し出した仮説は、確かに理解し難いものだった。









「あー、その、つまりお前は、俺達は異世界に来た、って言いたいんだな?」

「そういうことね。…ちょっと、その顔やめなさいよ。私だってこんなこと言いたくないわよ」




確かに美緒ちゃんはこの手の冗談を言うタイプじゃない。
それに、状況的にも信じるしか無いみたいだ。
どうやら、ここは東京都で、11月末だったはずの日付が3月末になっているらしい。念のため他のケータイも確認してみたけど、同じ結果だった。




「おそらく、原因はあのエレベーターでしょう。というか、それしか考えられないわ」

「そうだね。私もそう思う。…ヤバいね、何これ」

「わかんね。でも、一つだけわかるのは…」




そう言いかけて碧ちんがボクの方を向く。
お、おぉ?何かめっちゃ良い笑顔だ。




「──お前があんなこと言い出さなきゃ良かったってことだよ!!!!」

「ぐぇっ!!?」




勢いよく胸ぐらを掴まれる。
浮いてる!地上から浮いてるよ碧ちん!!




「いやいやいや!ボクだけの責任じゃないっしょ!!皆割とノリノリだったじゃん!?
 美緒ちゃんなんて真っ先にのってきたよね!?」

「…さあ?何の話かしら」

「そら見ろ!!」

「ちょ、待って待って!!!!」




う、裏切り者ぉおおおお!
『幽霊が出ない』とか言ってボクに八つ当たりしてきたくせに!あんまりだよ!

ボクが理不尽に締め上げられていると、後方から急にクラクションを鳴らされた。…そういやここ、道路だったね。
慌てて端に避けると、何故かその車がボク達の脇に停まった。てか、めっちゃ綺麗な車だねさすが高級住宅街。
呆然としていると、その車の窓が開き、中からオールバックのおっさんが顔を出した。え、何、何ですか。





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