funny!!
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落ちた。
受験生のこんな時期に言いたくない言葉ナンバーワンだ。葉っぱが木から落ちていくのでさえ、見てると嫌になる。あの碧ちんから鋼のメンタルと恐れられたこのボクがこんなにもビビるのだ。恐るべし高校受験。
だがしかし、落ちたのだ。落ちたものは落ちた。
物理的に。
ズガァン!と地響きみたいな音を立てて、エレベーターの落下が止まる。
あまりの衝撃に耐えきれず「ぐぇっ」と可愛げのない声をあげてしまった。いっけね☆
「いってぇ………おい皆、大丈夫か?」
「ええ…何とかね」
「い、痛いぃ…」
「碧ちん隊長!雛希ぽんが半分死んでます!」
「大丈夫か雛希」
大丈夫だよ、と雛希ぽんが頭をさすりながら答える。どうやら頭をぶつけてしまったようだ。うひぃ、めっちゃ痛そー…
すると、美緒ちゃんが鞄からペットボトルを取り出し、雛希ぽんに手渡した。
「これ、少し温いけど、頭に当てておいて。気休め程度にしかならないだろうけど、無いよりはましだと思うわ」
「ごめん美緒ちゃん…ありがとう」
「…早いとこ病院に行った方がいいな。取りあえずここから出るぞ」
そう言って碧ちんが立ち上がる。
落ちた衝撃でか、ドアが少し開いていたので力ずくでこじ開けてエレベーターから出る。いつの間にか、外は真っ暗でほとんど何も見えない。それでも何とか、廃墟から抜け出した。
けど…
「………?どこだ、ここ?」
抜け出た先は、見知らぬ土地だった。
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