funny!!

□01
1ページ/2ページ






「あっ、碧ちーん!こっちこっちー!」




一日の授業を終え、昇降口に行くとりりか達が待っていた。どうやら俺が最後らしい。一言詫びをいれてから合流する。しょうがない、早くHRを終わらない担任(山田一郎、47歳、独身、ハゲ)が悪い。

四人揃って歩き出す。もう5時を回っているせいか、辺りに人は少ない。既に陽も落ちかけている。
校門を出たところでりりかがねぇねぇ!と声を上げた。テンションが高いのはいつものことだが、今日はやけにうるさい。




「ボクね、この前面白いところ見つけたんだー、だから今から皆で行こーぜっ☆」

「「却下」」

「即答!?」




案の定アホな提案をしてくるので俺と美緒が即座に却下する。当たり前だ、コイツの行きたい所なんてろくな場所じゃない。




「何でダメなのさぁ!?」

「俺は疲れたから家帰りてぇんだよ」

「そう!それ!それだよ碧ちん!」

「はぁ?」




いつも以上に言ってることの意味がわからない。雛希も美緒も首を傾げている。




「最近受験勉強でボクちんもうくったくたなんだよ〜、だから息抜きに探検でもどうかなって」

「いや、なおさら家帰れよ」




そう、中学三年生のこの年は受験がある。おかげで勉強勉強言われるし、授業時間も増えてしまった。帰る時間がこんなに遅いのもそれが理由だ。




「確かに、アホのりりかにしては真面目に勉強してるわね」

「うん、アホは余計だけどボクちん最近頑張ってるんだよ美緒ちゃん!」

「私もそう思う。りりか、最近わかんないところとかよく聞きにくるもんね」

「えっへん!皆と同じ高校行きたいからね!」




おぉ…珍しくりりかが褒められている…
確かにアイツだけ異様に成績悪いからな、それなりに努力しないと同じ高校には行けないだろう。
少し、論点がずれてきてしまっているので話題を戻す。




「ところで、お前、どこに行きたいんだよ?」

「ふっふっふ…それはついてからのお楽しみさっ☆」

「ぶっ飛ばしてぇ…(まじかよ)」

「逆になってますけど!?」




何か行くことになってしまったが、まぁ少しくらいならいいだろう。他の二人も異論は無いようだ。
それじゃしゅっぱーつ!と意気込むりりかの後ろを大人しくついていった。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ