funny!!
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「あっ、碧ちーん!こっちこっちー!」
一日の授業を終え、昇降口に行くとりりか達が待っていた。どうやら俺が最後らしい。一言詫びをいれてから合流する。しょうがない、早くHRを終わらない担任(山田一郎、47歳、独身、ハゲ)が悪い。
四人揃って歩き出す。もう5時を回っているせいか、辺りに人は少ない。既に陽も落ちかけている。
校門を出たところでりりかがねぇねぇ!と声を上げた。テンションが高いのはいつものことだが、今日はやけにうるさい。
「ボクね、この前面白いところ見つけたんだー、だから今から皆で行こーぜっ☆」
「「却下」」
「即答!?」
案の定アホな提案をしてくるので俺と美緒が即座に却下する。当たり前だ、コイツの行きたい所なんてろくな場所じゃない。
「何でダメなのさぁ!?」
「俺は疲れたから家帰りてぇんだよ」
「そう!それ!それだよ碧ちん!」
「はぁ?」
いつも以上に言ってることの意味がわからない。雛希も美緒も首を傾げている。
「最近受験勉強でボクちんもうくったくたなんだよ〜、だから息抜きに探検でもどうかなって」
「いや、なおさら家帰れよ」
そう、中学三年生のこの年は受験がある。おかげで勉強勉強言われるし、授業時間も増えてしまった。帰る時間がこんなに遅いのもそれが理由だ。
「確かに、アホのりりかにしては真面目に勉強してるわね」
「うん、アホは余計だけどボクちん最近頑張ってるんだよ美緒ちゃん!」
「私もそう思う。りりか、最近わかんないところとかよく聞きにくるもんね」
「えっへん!皆と同じ高校行きたいからね!」
おぉ…珍しくりりかが褒められている…
確かにアイツだけ異様に成績悪いからな、それなりに努力しないと同じ高校には行けないだろう。
少し、論点がずれてきてしまっているので話題を戻す。
「ところで、お前、どこに行きたいんだよ?」
「ふっふっふ…それはついてからのお楽しみさっ☆」
「ぶっ飛ばしてぇ…(まじかよ)」
「逆になってますけど!?」
何か行くことになってしまったが、まぁ少しくらいならいいだろう。他の二人も異論は無いようだ。
それじゃしゅっぱーつ!と意気込むりりかの後ろを大人しくついていった。
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