あれ?
みつかっちゃいました?
そんな好奇心旺盛なレディに、ルサン短編をお届けですっ♪
『ゆびさき。』
「サンジ。」
明日の仕込みも終わり、
鍋の火を落とそうとしたその時、
背後から深い声で名前を呼ばれる。
普段のガキみてェにうるせえ呼び声とは異なる、色香を含む声にドキリとして、動けなくなってしまった。
左胸に銃口を突き付けられている気分だ。
「サンジ。」
振り返らないおれに、もう一度。
どうにかそれで行動力を取り戻したおれは、コンロの火をルフィに分からないように消した。
「なんだよ、
夜食ならさっきやっただろーが。
本日の営業は終了だ。」
明らかに食いもんを強請られているのではないと解っていて話を逸らす。
それが、裏目に出た。
「ああ、んじゃいいな?」
「は?」
何を確認されたのか分からないおれに、ふっと笑うルフィ。
「コックのサンジは営業終了なんだろ?
だったら今は、おれの サンジだ。」
「なっ!!」
ヒトの言葉の揚げ足を取ったルフィは、その笑みを不敵なものへと変える。
闇色の瞳が、煌めいた。
戸惑うおれにルフィが触れる。
髪に、頬に、唇に。
まるで宝物にでも触れるかの様に、その指先がおれをなぞった。
侵食。
ルフィの想いが、少し高い体温と共に直に流れ込んくる。
「サンジ。」
本心に問いかける、柔らかな呼び声。
幾重に予防線を張っても、
ルフィにかかれば全てがその意味を失ってしまう。
こんなヤツ相手に、
どうやって逆らえば良いんだよ?
「………っ!!
場所は、変えろっ!!」
ささやかな、抵抗。
けれど、ルフィはギュッとおれを抱き締めて喜びを表す。
そして、全開の笑顔。
「おうっ!
大好きだぞ、サンジっ!」
「〜〜〜〜っ!!!!//////」
てめェ、だからソレ、反則だっ!!
終わる。
(2010・10・30)