とりっくあんどメシ!

□ん?
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《藻ウサギ危機一髪/没ネタ》


「まぁだ寝てやがんのか!藻ウサギがっ!!
おらっ!とっとと起きねぇとパンチェッタで巻いてローストすんぞっ!!」

「!  美味そうっ!!」


宴の最中、食うだけ食って惰眠を貪る藻ウサギ。
その失礼な態度に蹴り起こしてやろうと足を上げたサンジを、
計らずもルフィの一言が止める。

我が耳を疑う言葉に振り返ると、目をキラキラ輝かせるルフィ。
ゾロに向ける視線が、明らかに仲間に向けるソレとは異なる。


「サンジ!」

「いや、まてまてまて。
考えてもみろ、今はウサギのなりをしているが、
アレは本来"藻"だぞ?食えねぇ。」

「「「「(人間だからっ!!!!)」」」」


名前に込められたルフィの物騒な望みを察し、先手を打って不可能を伝えるサンジ。
その理由にある多少の間違いは、些細なものだろう。


「でもサンジが言うと、すんごく美味そうだ。
なんとか出来るんじゃねぇのか?」


絶対的な信頼で言われてしまえば、うっかり頷きそうになってしまう。


「サンジっ!!」

「………。」

「「「「(おい〜〜っ!!しっかりしろぉ〜〜〜っ!!!!)」」」」


再びの期待に満ち満ちた表情。
もとよりルフィのこの目に弱いサンジだが、今回ばかりは、
しゃあねぇな、と、頷けない。
天使のコスプレとは訳が違うのだ。


「いい加減にしろ、ルフィ。
サンジを困らせるな。」


と、そこへ見兼ねて割って入る本来頼もしい筈のエース参戦も、
けれど船長を除く麦わらの一味はイヤな予感が拭えない。
ほんの数時間の間でエースの…特に、コト弟に関する件で彼に対する認識は180度変わっていた。


「いいか、ルフィ。
よく見てみろ、筋肉の塊で筋張っててマズそうだろ?
いくらサンジの腕が良くても、肝心の素材がコレじゃダメだ。」

「「「「「(やっぱりかっ!!)」」」」」

「…………。
そか、そうだな!
わかった。」

「「「「「(お前らぁァ!!!!!)」」」」」


折角なら美味い方が良いと言う兄の提案を、じっくり素材を品定めした上で受け入れる弟。

じつに失礼な話である。

けれど、こうして藻ウサギ本人の与り知らない処で訪れた危機は、
本人の与り知らないままに回避されたのだ。

よもや、まさか、
この様な攻防が繰り広げられていたなどは、まさに"ユメにも思わない"というやつである。


終わる。


後書き。
15.16ページ目を書いている時丁度ゾロ誕生日で、ついVv
(つい、じゃないっての!!)



何故ゾロが弄り倒されるのか?!
そこに藻ウサギが居るからっ!!
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