とりっくあんどメシ!

□limitation
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結局、イタズラって言っても大した事ァなかったんだが。ルフィの考える事だ。くすぐるとか、その程度で済んだ。

『サンジ…お菓子いっぱいくれよ』
『どんだけ単純なんだよお前』
『だって、サンジのお菓子うめェもん』
『…そりゃどうも』

単純だけど、それがルフィのいい所。

『サンジ〜?イタズラされた気分は?』
『ルッチ!てめェは余計な事すんな!』
『冷たいねェ…。因みに、おれにはお菓子くれねェの?』
『やらねェよ!誰がやるかよ!』
『じゃ、イタズラしちゃおうかな』

誰か…コイツをぶっ飛ばしてくれねェか。



放課後。毎日ルフィと一緒に帰っているのに、今日は姿がねェ。先に帰った?まだ怒ってんのか?

『サンジくーん!これルフィから』
『え?』

ナミさんから渡された手紙。あいつ、何考えてんだか。

“サンジへ
今日は悪かった。でも、お菓子くれないお前も悪い。だから今日は先に帰る。好きだぞ、サンジ”

『意味分かんねェよ…』

フッと笑って、手紙を閉じた。今日、ルフィんちにお菓子届けてやるか。



翌日。ルフィのヤツ、昨日届けたお菓子、もう食っちまったよなァ。
玄関チャイムを鳴らしたけど誰も出て来ねェから、とりあえずポストに入れといたんだが。

『サンジー!』
『おう!おはよ』
『あのな、お菓子…』
『食ったか?ポストに入ってただろ?あれ特別バージョンなんだぜ?』
『それが…』

何故かションボリとした表情のルフィ。まさか、うまくなかったとか?いや、そんな筈はねェ。

『お菓子な…』
『うん…』
『兄ちゃんに全部食われちまった』
『そうか……って何だと!?』

そんなオチか。どこまでも振り回されてんなおれは。

『大変そうね』
『そうじゃのぅ』



ルフィの場合、お菓子は直接手渡さねェと危険だ。そんな事を学んだハロウィンだった──

『おっ、サンジ!昨日はごちそうさま!うまかった!』
『…ど、どうも』
『あ!エース!今度は絶対にお菓子食わせねェからな!兄ちゃんだからってサンジのお菓子一人占めして!サンジはおれのもんだ!誰にもやらねェ!』
『お前…何か間違ってる…』

振り回されるのは嫌いじゃねェ。
ただし、ルフィ限定で──
*end*
2010.10.27


→蓮実様から
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