とりっくあんどメシ!

□ハロウィンの夜
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時刻は月が静かに顔をだす深夜…。


カチャカチャと陶器がぶつかり合う音が響く静かなキッチンで、サンジは1人皿洗いをしていた。


それは先程まで飲めや歌えやで行われていたハロウィンパーティのもの。


洗い物は一応明日でも大丈夫ではあるが、今日のものは今日の内に!料理人として汚れをそのままにしておけるはずもなく今に至る…。





「よし、これで最後だな。あとは朝食の仕込みをして…」

ナミさんとロビンちゃんのデザートは欠かせないよな、などと考えていてふと頭に浮かんだのは我らがキャプテン:ルフィの事だった。


普段から人の何倍も食べる。だから今日のパーティーではいつも以上に食べ物の要求をする事を想定して用意はしていた。

しかし、サンジが考えていた程ではなく、ある意味物足りないような気持ちもあった。


(明日ヤリでも降ってくるんじゃねぇか?)


そんな事を考えていながらタバコを吸っていた時、感じたのは背中への温もりとぎゅっとお腹に回された腕。

目線だけ後ろにやれば視界にはいるのはサラサラの黒髪。


(ハァ…、抱きつかれるまで気がつないうえに背後をとられるとはな…)


そんなに考え事してたか?と思いつつ自分にくっついている主に声をかけた。


「おい、ルフィどうした?寝てたんじゃなかったのか?」

「………」

「?………ルフィ…?」

問いかけても返事はなく、ただお腹に回された腕の力が少し強くなっただけ…。

何か悪いもんでも食ったか?いや、オレがそんなもん出すわけ…と1人考えていると。


「なぁ、サンジ。…まだカボチャの日だよな?」

「カボチャの日って…。ハロウィンな。まぁ、あと少しで終わるけどな…」

問いかけられ、時計をみれば0時まで後10分。

確かに、まだハロウィンだ。

それがどうかしたのか?と言いかけた時、ふいに腕の力が弱まり顔を上げニッと満面の笑みで一言。


「サンジ、“Trick or Treat”!!」


突然のセリフに戸惑いながらも、一応何かないか探してはみるがこれといって何もないのが現状…。


「…は?…Σってかまだ何か食う気かよ!?」


「なんだ。食い物ねぇのか?」


「急に言われても「なら、いたずらだな♪」Σ人の話を…!!〜〜///っ」


文句を言おうとした瞬間、ちゅっという可愛らしい音と共に頬に柔らかな感触。

何が起こったのか理解する頃には顔に集まる熱…。

やられた、と思いながら張本人を見れば怒る気すらなくなってしまう。

それはもう、してやったりという笑顔。


「ししし♪いたずら成功!」


「…ルフィ、お前なぁ…///」




こうして、ハロウィンは過ぎていきました。



*END*
2010.10.23


→月兎様から
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