オリジナル

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「き、君、女の子ぉ!???」

「お前、えっ、女ぁあぁぁあぁ!?!?」

「う、嘘でしょ!?」

「そうだ、一人称『俺』じゃんっ!!!」

「私も使っているが?」

「あぁそうだった!!統一しろよお前ぇええぇっ!!」


やっと思考が戻った二人は、驚きのあまり言葉がどもり過ぎている。


「というか、シスターなんで分かったの!?この子、見た目男の子じゃんっ!!!!」

「あら。一目でわかったわよ?だから私が手当したのよ」

「だから俺についてくんなっつったのか!!」


ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に対して、フレイルとシスターは落ち着いている。
それもそうだ。既に二人は分かっている事だし、驚く事もないと思っているのだから。

言いづらそうにフレイルは口を開いた。


「……治療は終わりか?」

「あ、あぁ、悪い。あと包帯巻くだけだ」


なんとか心を落ち着かせて、フレイルの手に包帯を巻いていく。
巻きながら彼女の手のひらを良く見てみる。
男である自分とは対照的に、すらと伸びている指先、女性独特の柔らかい白い肌、そしてなにより全体的に細い。

―――て、変態か俺は!!

自分の心の中で突っ込みながら、着々と包帯を巻いていく。
桐生と同じように、最後をテープで止めてやる。
フレイルは治療された自分の手のひらを見つめ、数回拳を作っては広げるという行為を繰り返した。


「ありがとう。助かった」

「いいって別に。他に怪我はないか?」

「あぁ」


嵐の問いに短く答えたフレイルは立ち上がり、自分のジャケットが置いてある机へと足を向けた。
そして手早くジャケットを着ると、3人へと剥き直る。



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