オリジナル
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「フレイルッ!!!」
嵐の叫びが部屋中に響き渡る。
同時にフレイルの体が床に倒れた。
「アッハハハハハハハハハハハッ!!!!
私に舐めた口を利くからこうなるんだッ!」
「お前ッ…!!」
「口に気をつけなさい、嵐。お前は高く売れるんだ、傷付けたくないんですよ。」
「ふざけんなッ、俺は商品なんかじゃねぇ!!!!俺だけじゃない、シスターや桐生、チビ達、皆もだ!!!」
吠えるように言う嵐に対し、神父は小さく溜め息をつく。
そして、おかしいものを見るような眼で嵐に問いかける。
「では聞きましょう。お前は誰のお陰で今日まで生きてこれたのです?誰の紹介のお陰で技術を学べたのです?誰のお陰で今の己があるのですか?」
「そ、それは……っ、」
「すべて、私がいたから成せたこと。その恩を仇で返すのですか?」
「違う」
嵐でも、神父でもない声が答える。
フレイルは弾丸を掠めた額を手で抑えながら、自力で体を起こした。
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