オリジナル

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神父が受話器を置いたのと同時に、フレイルに止める間も与えず部屋の扉を開けた。


「先生ッ!!」

「ッ!? あ、あぁ、嵐ですか。どうしたんです、こんな時間に」

「どうしたじゃねぇよ!!なんだよ、今の電話はっ!!!」

「………聞いていたのですか?」

「あぁ。 買い手?150万?売り時?あんた、なにかしてんのか…?」


―――いつもの笑顔で冗談だといってくれ…。

嵐はひたすら心の中でそう願う。
しかし、嵐の願いを裏切るように、神父は息を深く吐いた。
ただただ気持ちの悪い沈黙が続き、それを破ったのは嵐でも、神父でもなかった。



「ヒューマンオークション、だろう」



フレイルの言葉に神父は目を見開くが、それも一瞬。
次の瞬間には口元を三日月形に歪ませた。
それを見た嵐は己の中で何かが崩れていくのが分かった。


「ご名答。君の言う通り、私はヒューマンオークションを行っているが?」

「孤児たちを養子に出したりしているだろうが、それも嘘だろう」

「子供というのは高く売れてね。マニアもいれば、ただの奴隷にする買い手もいる。」

「シスターが売り時って、どういうことだよ…っ…?」

「そのままの意味だよ。あの女は拾った時からただの『商品』だ。『商品』のくせに私を好いているなんて、これ以上迷惑なことはない」


淡々と話す神父に嵐は怒りを抑えられない。
そして心は裏切られたことで絶望でいっぱいだった。



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