オリジナル

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「こいつ…、武器ばっかりだな」

「え?」

「見ろよ。」



皿を横にどかし、桐生の前に見やすいように並べる。



「ナイフにハンドガン、小型の爆薬、整備用の工具…。数は少ねえが、種類は多い。」

「こんなご時世だよ?護身用とかでしょ」

「護身用でお前は爆薬を持ち歩くか?それにナイフが2種類、ハンドガンの弾は3種類ある。少なくとも、ハンドガンは3丁はあるってことだ」



俺の言葉で食堂がしん、と静まり返る。
2人しかいないが、気持ち悪い沈黙となった。



「……嵐、もしかしてあの人、殺人者?」

「…可能性はある。」



盗みや殺人は頻繁に行われるようになったこの時代は、盗みを働く奴は盗人(ラドロ)、殺人を行う奴は殺人者(アサシン)と呼ばれるようになった。

それはこの街にも例外なく存在していて、日々奴らは獲物を狙って歩きまわっている。
狙われるのは、大半が大人。
でも稀に子供も狙われる。

だから俺らはこの教会で、ガキ共を守ってるんだ。



「嵐、シスターにこの事言っとく?」

「そうだな。桐生、念のためにこの荷物隠しとけよ」

「え!?僕が!?」

「ぶちまけたのはお前だ。てか見ようっつったのはおまえだろうが」



俺の言葉に桐生は押し黙り、悔しそうに小さく舌打ちをした。
一瞬イラついたが、桐生を一蹴して使っていた食器をそのままに食堂をでた。



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