オリジナル
□1-2
1ページ/3ページ
礼拝堂で倒れてた奴をシスターとチビ達がいる部屋へ連れていったら、それはもう皆は目をみひらいて驚いていた。
唯一、シスターは動じなかった。
音がした礼拝堂にはこいつしかいなく、心配はないと説明すれば、チビ達は安心し、食堂へと戻っていった。
「じゃあ、私はこの人を医務室へ連れて行くわ。」
「シスター、俺も行くよ。一応ケガしてるわけだし。」
「だったら僕は、チビ達の所へ戻るよ。誰かいないと不安だろうしね」
シスターは桐生から男を受け取り、問題なく己の肩にそいつの腕を回した。
そういえば、毎日チビ達の相手をしているうちに、筋肉が付いてきたって言ってた気がする。
桐生は足早に食堂へ行き、シスターは医務室へ足を向けた。
俺も医務室に行こうと、続こうとした。
しかし、彼女はあっ、と言って俺に振り返った。
「私一人で平気よ」
「は?」
「嵐も桐生と一緒に食堂に行ってあげて。皆心配してたから」
「いや、でも…。」
「このくらいのケガなら私でも手当できるわ。ほら、早く」
「あ、あぁ…。わかった…。」
シスターの言葉に負けて、俺は渋々食堂へと足を向け直した。
…シスターの笑顔が怖かったと思ったのは、気のせいだと思いたい……。
.