オリジナル
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-----医務室
ここは俺のお気に入りの場所だ。
なぜなら、俺の作業場の一つでもあるからだ。
そんなお気に入りのこの部屋に、シスターと未だにねむっている奴がいた。
「シスター、そいつの様子はどうだ。」
俺の問いかけに、シスターは読んでいた本から顔を上げた。
「随分無理をしてたみたいだったわ。一度目をさましたけど、すぐに寝ちゃった。」
「起きたのか、こいつ…。なにか言ってたか?」
「『ここはどこだ』って聞いてから、私が敵じゃないって分かったぐっすりよ」
シスターの言葉を聞きつつ、ベッドで眠っているそいつに近づき、顔を覗き込む。
さっきの汚れだらけの顔ではなく、綺麗になっているのはシスターのお陰だろう。
俺の金髪とは全く違う漆黒の髪が、なぜだが印象的だった。
「シスター、こいつの上着とかは?」
「あそこに掛けてあるわよ」
ハンガーにかけてある、黒のジャケット。
それに手を伸ばし、徹底的に探ると、ハンドガンが2丁にマグナムが1丁、最後にルガーが1丁。
1つ1つ手に取りながらそれらを見ると、よく使いこなされた痕が残っている。
俺と桐生の予想が当たった気がして、嫌な汗が滲みだす。
「どうしたの、嵐」
「さっきこいつの荷物を桐生と見たんだ。そしたら武器だらけでよ、もしかしたらこいつ殺人者かもしれねぇ」
「そんな奴らと一緒にするな」
ガチャ、という音と共に後頭部に硬い感触。
さっきまで寝ていた奴に背後から銃口を当てられるなんて、誰が思うだろうか。
滲みだしていた汗は、雫となって俺の頬を滑り落ちた。
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