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□Crazy Life
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「ジュンス〜♪」
「ん……」
「ジュンス〜起きて〜♪」
「ん〜…何…ユチョ…」
柔らかいジュンスの体をぷにぷにしつつ、ゆさゆさと起こす。
重たい瞼を擦ってようやく目を開くと、その瞳は再び閉じられてしまった。
「ちょっ!ジュンス!起きてってば!」
「も〜何ぃ…?リボンなら似合ってるよ…」
「そうじゃなくて!」
リボン、と言うのは、俺の頭についているプレゼント用のリボン。
もちろん趣味でこんなことしてるわけじゃない。
今日は…
「ホワイトデーですよ〜…ねぇ、バレンタインのお返し、もらって?」
先月のバレンタイン、ジュンスは自分をバレンタインのプレゼントとして贈ってくれた。
顔を真っ赤にさせて、体縮こまらせて…可愛かったなぁ。
その夜は付属品のチョコレートシロップで、ジュンスをおいしく頂きました。
だからホワイトデーは、俺のマシュマロみたいなもち肌を(ジュンスには負けるけど)プレゼント♪
もちろんちゃんとプレゼントも買ってあるけど、ね?
「お返しって…僕ユチョンからチョコもらったじゃん。あれで相殺かと思ってたよ」
「それじゃつまんないじゃーん。今日一日、ジュンスは俺を好きにしていいんだよ…?」
ようやく体を起き上がらせ、軽く寝癖のついた頭をぽりぽりとかく。
そのオッサンくさささえ可愛く思えるんだから、恋って不思議だ。
「好きに……?」
「そ。好きにして…?」
身体を摺り寄せ、自分のもつ最大限のフェロモンをジュンスに向けて放った
…つもりだった。
「それって、僕の言うことなんでも聞いてくれるってこと?!」
「え?…いや、うん、まぁ…」
「うはは!やったぁ!」
あれ、なんだか俺の意図してるものとは違う流れになっている気が…
「じゃあねじゃあね…ジュース飲みたい!ユチョン持ってきて〜」
「いや、ジュンス…?」
「は〜や〜くぅ〜」
「…はい」
俺の身体を好きにして♪って意味の言葉は
ジュンスには全くそうは汲み取ってもらえなかったらしい。
こうして、ジュンス様と召使い(俺)の一日が始まった…
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