library
□If...!?
1ページ/13ページ
To:ジュノ
【最近犬を飼いはじめました。】
「ん〜…『犬』って言っちゃっていいのかな…」
【犬みたいな人と住み始めました。】
「…なんかアヤシイよねこれじゃ」
犬……人……犬?人…?
「あ〜もうわかんない!!」
「どーしたの?じゅんす」
「ぁ……いや、なんでも…」
「ね、なでなでして♪」
そう言ってごろんと僕の膝を枕にして寝そべるこの男
…いや、オス?
とにかくこの不思議な彼が家にやってきたのは先週の話。
犬か人か
その違いなんて見れば誰でもわかるはずなんだけど
彼の場合はちょっと違う。
黒くて少し長めの髪はくるんとしていてふわふわで
端整な顔立ちなのに笑うとふにゃっと柔らかくなる表情
髪とは対照的に肌はすごく白くて
僕より少し背の高いその姿は、見惚れてしまうほど格好良くて。
…ここまで言うと普通の人間。
だけど彼には…
「うはっ、耳くすぐったいよ〜♪」
「ごめんごめん…」
そう、耳
人間のあるべきところに耳はなくて
そのふわっとした髪から生えている、犬のような耳
そしてお尻には、髪と同じく黒くてふわふわの尻尾。
彼は、「人」であり「犬」なのだ。
.