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□Bolero
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僕達が付き合い始めた記念日まで、あと数日

恋人であるヨンファはここ最近ずっとソワソワと落ち着かなくて、あまり目も合わせてくれなくなった。

ひょっとして、記念日を前に別れ話でも切り出されるんではないか

そんな嫌な想像ばかりが脳内を占める。


そうして迎えた記念日当日、ヨンファからメールが届いた。


【Boleroって店に来て。待ってる】


その短い一文の下には、その店の住所らしきものが書かれていて

僕は浮かれて部屋を飛び出した。



別れ話だなんて、僕の思い過ごしだった。

ヨンファはちゃんと、記念日のこと考えてくれてたんだ…!



着いた場所は、来慣れない場所で若干迷ってしまったが

シンプルな外装のその建物は、一階は確かに店舗のようだが二階から上はマンションのような造りだった。

緩む頬を抑えて扉を開ける。

恐る恐る足を踏み入れると、その扉は僕の後ろで、重たい音を立ててぴったりと閉じられた。

――まるで二度と開くことはない門のように。


そしてそれは、現実となる。


恋人と過ごせると思っていた記念日


僕は 恋人に売られた







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