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□My Girlfriend
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冬休みは嫌い。

そんなに長くはないけど、学校で先生に会えないし

ほんとは先生の家に何泊もしたいけど

先生はそれを許してくれない。

僕は毎日でも会いたいのにな…


学校がある日は週末の金曜に泊まりにいって、土曜の昼には帰されてしまう。

冬休みも、泊まりにきていいのは金曜だけだと釘を刺されてしまった。


「やだなぁ、冬休み」

「どうしてですか?」


終業式を来週に控えた週末

僕は今日も相変わらず先生の家に泊まりに来ていた。

コーヒーを啜る先生の眼鏡が曇る。

季節はいつの間にか冬へと衣替えをしていた。

僕達が待ち望む卒業式まで、あと少し。


「だって先生に会えないから…」

「また。『先生』」

「ぁ…、ユチョン、に」


先生は、学校以外で先生と呼ぶとちょっと拗ねる。

そこがまた少し可愛くもあるんだけど。


「週末会えるじゃないですか」

「…そう、だけど…」

「終業式の日は、僕もなるべく早く帰ります。ケーキくらいは買っていきますから…」

「…ケーキ?」


どうしていきなりケーキが出てくるんだろう。

僕の頭はハテナでいっぱいだった。


「…意識しているのは僕だけみたいですね」

「ぇ……あ!!」


デスクの上に置かれた卓上カレンダーを見てやっと気付く。

来週の金曜・終業式は


「クリスマス・イブだ…」


そっぽを向いてしまった先生の顔は

少しだけ赤く染まっていた。

こんな大事なイベントを忘れていた僕も僕だけど

ちゃんと考えてくれてた先生が、嬉しい。

たまらず、先生の胸に抱きついた。


「外で豪華には、過ごしてあげられませんけどね…」

「んーん、全然いい…。ありがとう、先生…」

「また先生って呼ぶ…」

「あは、ごめん(笑)」


冬休みは嫌い

だけど、先生のおかげで

終業式の日が楽しみになった

クリスマスプレゼント…何にしようかな…



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