library

□9095
1ページ/22ページ


「はぁ……」


【9095】


僕には似つかわしくないほど豪華なホテル。

その一室の前で、僕は大きくため息をついた。


【9095】


確かめる必要なんてないくらいに慣れたこの部屋までの道。

最初は、広いフロアに部屋もたくさんあって

ここに来るまでにだいぶ時間がかかったけど…。

癖のように、一度部屋番号のプレートを確認して、インターホンを押す。


中から出てきたのは、僕と同じくらいここには似合わない

少しくるっとした癖毛に、眼鏡姿の冴えない男。


「待ってましたよ…JSくん」

「…どうも。ご指名ありがとうございま…っ」


いつもの挨拶さえ言い終わらないうちに、その腕に抱きしめられる。


「先…せ…っっ」

「……」


軽々とベッドに落とされると、眼鏡を外してサイドテーブルに置く。

ゆっくりと近付いてくるその表情は、既に教職者の顔ではない。


「さて、今日は何をしてもらいましょうか…ね」


今夜も恥辱と陵辱にまみれた宴が始まる。

逃げ出せない 離れられない

永い 永い夜が――――
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ