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□9095
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「はぁ……」
【9095】
僕には似つかわしくないほど豪華なホテル。
その一室の前で、僕は大きくため息をついた。
【9095】
確かめる必要なんてないくらいに慣れたこの部屋までの道。
最初は、広いフロアに部屋もたくさんあって
ここに来るまでにだいぶ時間がかかったけど…。
癖のように、一度部屋番号のプレートを確認して、インターホンを押す。
中から出てきたのは、僕と同じくらいここには似合わない
少しくるっとした癖毛に、眼鏡姿の冴えない男。
「待ってましたよ…JSくん」
「…どうも。ご指名ありがとうございま…っ」
いつもの挨拶さえ言い終わらないうちに、その腕に抱きしめられる。
「先…せ…っっ」
「……」
軽々とベッドに落とされると、眼鏡を外してサイドテーブルに置く。
ゆっくりと近付いてくるその表情は、既に教職者の顔ではない。
「さて、今日は何をしてもらいましょうか…ね」
今夜も恥辱と陵辱にまみれた宴が始まる。
逃げ出せない 離れられない
永い 永い夜が――――