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□Crazy Love
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ユチョンには、レコードの針を買った。
ユチョンは音楽を聴くのが好きで、たまにCDではなくレコードもかける。
聴くジャンルには好みがあるだろうからと針にしたのだ。
我ながら少し気の利いたチョイスだ、…と思う。
そして家に帰ると、ユチョンはまだ帰ってきていないようで
プレゼントをカバンから取り出すと、やけに不自然なものが入っていることに気付いた。
(これ…!!)
あのときジェジュ兄に付き返したはずのチョコシロップが、僕のカバンの中に収められている。
どう考えてもジェジュ兄の仕業だ。
そして思い出したようにポケットを探ると、チャンミンから渡されたプレゼント用のリボン。
「どうしよう…結局持って帰ってきちゃった…」
…と言うことで、今に至る。
「うぅ〜ん…」
チョコバナナだの僕を食べて♪だの
…正直ユチョンが喜びそうかといえば、喜ぶかもしれない。
ユチョンは僕よりも性欲が旺盛で体を重ねない夜の方が少ない。
男性ホルモンが活発なんだ。
だからハゲなんだな、きっと。
だけど…
さすがに自分にリボンをつけて、チョコシロップ片手に『僕を食べて』だなんて
引かれてしまったら僕はただの変態だ。
でも、興味が無いと言えば嘘になるわけで…
「ん〜どーしよ…引いちゃうかなぁ…引いちゃうよなぁ…」
「誰が?」
「うん、ユチョンがね…………ユチョン?!?!」
悩んでいる間に、ユチョンが帰ってきてしまったらしい。
振り返る間もなく僕を後から抱きすくめると、チョコとは違うユチョンの甘い香りが鼻腔を擽った。
「ただいま。ん〜ジュンス今日もコーヒーの匂い♪」
「お、おかえり…いつの間に…」
「ん〜30秒くらい前?にしてもジュンス…何?そのリボンとチョコシロップ…」
「あ、これは…!」
どうしよう…!
やっぱり、ユチョンに見られる前にどこかに隠しておくんだった。
不自然に並ぶチョコシロップとリボンに、もう言い訳ができない。
(…もうダメで元々だ!!)
もらったリボンを自分の頭につけ、レコードの針とチョコシロップをユチョンに突き出した。
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