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□Crazy Love
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参考人その2:チャンミン
「おはよ、チャンミン」
「ジュンス兄。おはようございます」
この店に入りたての頃はすごく可愛くて愛くるしかったのに
今やすっかり態度も身長も大きくなって愛くるしさの欠片もなくなってしまった。
それでも、たまに見せる照れたような笑顔は
ああやっぱり年下だなぁ、なんて思うんだけど…
「また太りましたね。ジュンス兄がいると通路が狭くて…」
…やっぱり可愛くない!!!(泣)
最近気になり始めた顎下のお肉を撫でつつ、ジェジュ兄と同じ質問を投げかけてみた。
「あのね、チャンミン。今日バレンタインなんだけど、僕ユチョンに何も用意してなくて…」
「へぇ。あのヘラヘラしたハゲとまだ続いてたんですね。それは良かった」
「ハっ…まぁいいや。それでね、僕ユチョンにチョコあげた方がいいと思う?買いに行くのも恥ずかしくて、まだ迷ってるんだ」
「育毛剤でもあげたらどうですか?ハゲとデブが付き合うだなんて絵的にも見苦しいですから」
「もう!真面目に聞いてるんだってば!!」
確かに僕はぽっちゃりしてきちゃったけど、デブまではいってないのにぃ!
ユチョンもハゲじゃ…まぁ、ハゲかけてるけど…!
真面目に言ってるのに…とため息をつくと、チャンミンはプレゼント用のリボンを僕に差し出してきた。
「…何これ。こんなのどうするの?」
「自分の頭にでもつけてプレゼントにしたらいいじゃないですか。あの人なら『僕を食べて』の一言でイチコロですよ」
「んな…っ!!!」
思わず手を振り上げたら、チャンミンの鋭い視線に体が固まってしまった。
ジェジュ兄のように叩き飛ばすわけにもいかない。
チャンミンにデコピンでもしようものなら、その痛みの何倍にもなって返ってくるのだ。
「さ、参考にしておきます…」
「そうしてください。早くスタンバイの用意、終わらせてくださいね」
「はぁい…」
僕の方が先輩なのに、すっかりチャンミンにいいように使われる自分を情けなく思いながら
ポケットにそのリボンをしまいこみ、営業の準備を始めた。
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