Vitaminもの2

□ウォータープルーフ
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雑誌を見ながら何気無ァくつけたテレビで、強いだの落ちないだのと言うCMが流れた。

「(…濡れても落ちない…なァ)」

明日のイタズラはこれで決まりだ。そしてオレ様は必要な道具を買い揃えるべく、近所のドラッグストアに走った。ここまでが昨日のハナシ。



「ふあぁ…クソ、眠い…」
「おはようさん、瞬。早いな今日」
「草薙か、おはよう」
「…って、スゲー眠そうじゃん、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない!仙道の奴、朝から迷惑なイタズラを仕掛けてきやがって…!」
「今日は何したんだよ清春…」
「あの野郎…朝っぱらから俺の家のドアのポストに防犯ブザーを放り込みやがった!音が鳴っている状態でだぞ!」
「うわ、ひでーなそりゃ」
「クソ猿め…見つけ次第息の根を止めてやる…ふあぁ」

ククッ…ナナの奴、ずいぶん眠そうにしてやんの。つーかオレ様はオマエの後ろ歩いてるってェの。気付かねェとかマジでバカだろ。

「あー…瞬、授業始まりそうになったら起こしに行ってやっからさ、保健室で寝てたらどうだ?」
「ふぁ…サンキュ、草薙。そうさせてもらう」
「おう!」

ナイスタイミング、ナギ!んじゃ…清春様のショータイムの始まりだぜェ!



「待て、仙道ーーー!!」
「ヒャッハー!捕まえてみやがれ!」

授業開始10分前。保健室で寝てたナナを"優しく"叩き起こしてやった。

「貴様、今日こそ殺してやる!」
「オレ様はナナが遅刻しねェように起こしてやっただけだぜェ」
「何が起こすだ!顔面に水をかけやがって!!」
「化粧直しだ、感謝しな!」
「ぶっ殺ーーーす!!」

そんなこんなで保健室から生徒共でごった返す廊下を抜けてあちこち回りながら教室に駆け込むとチャイムが鳴る。ナナの奴は舌打ちをして自分の席に座った。笑えることに、ナナは周りの奴らがスゲェ顔してるのも目に入らないらしい。

「(そーんなにブチャに会いたいのかねェ)」

ま、今日はオレ様もブチャが待ち遠しいけどなァ。ベーシストから警察官に"転職"したナナを見て、どんな顔しやがるのか楽しみだゼ。



(「はーい、出席とるわ…よ…」)
(「どうした先生、出席簿が落ちたぞ」)
(「し、瞬君…瞬君こそどうしたの…」)
(「Unbelievable…瞬、何があった!?」)
(「おい、瞬!鏡見てみろって!」)
(「ハァ?寝癖でもついてるのか…?」)
(「はい、鏡!シュン、ポペラやばい顔だよ!」)
(「某派出所の警官…みたいな…眉毛…」)
(「…何だこれはああああああ!」)








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朝からイタズラしたのは学校で熟睡させるため。あちこち走り回ったのは色々な人に見せるため。

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