Vitaminもの2
□真夏の夜の出来心
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『今日はちょっと遅くなるよー』
朝、出掛ける前に、那智くんが言った。
夏休み…とは言っても、私は学校、那智くんは大学の課題と、予定がある。
『それでさー、なんか今日の夜、実家から荷物が届くんだよね。真奈美、受け取っておいてくれない?』
『わかった。任せて』
遅くなるなら仕方がない。
荷物が届く頃には帰宅しているだろうし、何の気もなしに頷いた。
『うんうん、真奈美は良い子だなー。良い子は褒めて伸ばさないとなー』
『わ、な、那智、くん!頭ぐしゃぐしゃになっちゃうってば…っ!』
『仕上げにご褒美のちゅー…なんてね。あっはは』
そんなやり取りをした朝。
それがまさか、こんな状況になるなんて…