Vitaminもの

□妖精の花束
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「ピーちゃん、誕生日おっめでと〜!」

オレに向かって盛大にクラッカーを鳴らしてくれた友人のおかげで、誕生日だと気付く。そっか、今日か。

「ありがと、やっくん」
「ピーちゃんてば誕生日忘れたさんでしたな?」
「ンフ、バレちゃった」
「当然ですナリ!そのために今日はわざわざ学校に寄ったんだぴょん」

お祝いは放課後にね〜、と言い残して校門とは逆方向に向かうやっくんは、本当にこのために寄ってくれたみたい。
ホント、やっくんはドマジにいいこなんだよね。



「アラタ様、おはようございます!」
「おはよう、鈴蘭ちゃん。今日もふわふわの髪がキュートだね」
「アラタ様、あの、今日はアラタ様のお誕生日だと聞いて…良かったら、受け取ってください」
「本当に?ありがとう沈丁花ちゃん。君みたいな可愛い子からプレゼントもらえちゃうなんて、オレってばマジマジドマジに幸せ者だよ」
「おはようございます、アラタ様。私のプレゼントも受け取ってくださいますか?」
「おはよう、白百合ちゃん。君が選んでくれたプレゼントを受け取らないなんてマネ、オレにはできないよ。ありがとう、白百合ちゃん」

校門をくぐったオレを待っていてくれたのは、色とりどりの包装紙に包まれた箱を持ってる可愛い可愛いお花ちゃんたち。
お花ちゃんたちの心のこもった誕生日プレゼントは絶対に断らない。男として、オレとして当然のこと。
…でも流石にちょっと前が見えなくなってきたかな。

「おはよ、ミネミネ。朝からすごい量のプレゼントだね」
「おはよ、エンジェルちゃん。OKA お花ちゃんたちが、くれた、ありがたいプレゼント、だからね。1つたりとて落とせないよ、ンフ」
「…ミネミネのそーゆーとこ、すごいと思うよ。ゴロちゃんからはこれをプレゼントしよう」
「ありがとうエンジェルちゃん!」
「まさか本当に使うハメになると思わなかったけどね〜。役に立ってポペラ良かったよ。じゃあね」
「助かったよエンジェルちゃん、またね」

エンジェルちゃんからもらった大きな紙袋のおかげで前がしっかりと見える。
前が見えるってこんなにマジマジドマジに素晴らしいことだったんだね。



「おっ、アラタじゃねぇか。おはよーさん」
「くあぁ…嶺か。おはよう」
「天ちゃんにチィちゃん、おはよ」
「今日はアラタの誕生日だろ?アホサイユでどーんとでっかくパーティーやるからよ、楽しみにしてろな!」
「マジで楽しみにしてるよン、天ちゃん」
「今日のおやつは嶺の希望にあわせよう。何がいい」
「ん〜、チィちゃんのおやつは美味しいからね…ローズティーに合わせたチィちゃんのオススメお菓子がいいかな」
「了解した、楽しみにしていろ…それにしても大量だな」

紙袋と下駄箱をちらりと見てチィちゃんが言った。
あぁ、下駄箱にもあふれんばかりの愛のこもったプレゼントが入ってるね。むしろどっちもあふれちゃってる系。

「ンフ、お花ちゃんたちの愛情がたっぷりだよ」
「……そうか。まぁ、頑張って持ち帰れ」
「オレ様のトコにもヨメからのラブレターが入ってたりとか…」
「アホ天。いつも無いだろうが」
「んだと、アホ千。お前んとこだってどーせ……あー!!」
「うるさいぞ、天。人の下駄箱を勝手に開けるな…ん?あぁ、悪いな」
「なんでオレ様の下駄箱には入ってねーのに千の下駄箱にはラブレターが入ってんだよ!!」
「知らん、俺に聞くな」

あいかわらず仲良しな二人。大丈夫、天ちゃんの良さがわかってくれる女の子は絶対にいるから安心して。
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