短文

□優しい料理
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「遊子?」


もしかしたら、今日ぐらいゆっくりしたいのかもと思い、一護は静かに遊子を呼んだ。


いつも家族の為に家事を頑張る遊子だ。
今日くらい…


「…遊子?」


覗きこんだ遊子の顔は、異常なほどに青い。

冷や汗も流れていた。



「遊子っ…!?」

「一兄?」


一護は遊子を呼ぶが、遊子は反応しない。


「夏梨!親父呼んでこい!オレの部屋にいる!」

「う、うん…!」


夏梨は一護の声色に、慌てて部屋を出ていった。


「遊子…おい、遊子」


ゆっくりと遊子の頬に触れ、呼ぶ。
すると、やっと遊子が反応をした。


「お…兄…ちゃん…?」

「遊子…」


遊子の顔は青く、良くはない。


「一護、どうした?」


一心が夏梨に呼ばれ、部屋に入ってきた。


「親父、遊子がっ」

「なに?」


一心はただならぬ雰囲気の一護に気づき、遊子の顔を覗きこんだ。


「…こいつは、ヒドイ顔色だな」

「親父っ…遊子は」

「落ち着け。とりあえず、診療すっからお前は夏梨と外に出てろ」

「あ、ああ…」


一護は不安そうに見つめる夏梨をなだめながら、一心の言う通りにした。






「一兄…」

「大丈夫だ。きっと、風邪かなんかだろ」

「…うん…」

「………………」






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