短文
□どうか晴れて
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「雨?」
さっきまであんなに晴れていたのに…
そういえば最近、夜に雨がふることが多くなった。
「………」
ふと、黒崎を見れば、黒崎は手を止めていた。
黒崎は、今にも泣きそうな顔だった。
「黒崎っ…」
「…石…田…」
黒崎は僕を見て──
次の瞬間、糸が切れたように倒れた。
「黒崎!?」
僕は慌てて黒崎を助け起こす。
「黒崎!黒崎!!」
僕は必死に呼んだが、腕の中の黒崎はぴくりとも動かなかった。
「…………」
倒れた黒崎を背負い、僕は保健室へ走った。
今、黒崎はベッドで眠っている。相変わらず、顔色が悪い。
「…………」
「一護!!」
話を聞きつけた、朽木さんたちが来た。
「石田、一護はっ」
「大丈夫。今は寝てるよ」
「そうか…」
朽木さんは安堵したようか顔をして、でも、悲しそうな顔で黒崎に近づく。
「一護…」
「朽木さん。黒崎は、最近休めているのかい?」
「いいや」
「え……」
「最近、夜に雨がふることが多いだろ?
だから、
眠れておらぬのだ…」
「……………」
──雨…
『オレ、雨が嫌でさ…』
一度、黒崎から聞いた。
雨が、精神的に黒崎を傷つけている。
「………黒崎…」
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