頂き物小説
□共食いプリン
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「遅い…」
あいつは一体、何しているんだろ!?
「もうすぐ二時になるのに…もうっ」
時計を見ると二時…少し過ぎていた。
デートって言う訳じゃないけど『二人で買い物にでも行こう』って約束したのにあいつは『後から行く。お前、先に公園で待ってろ』だって。
約束したのはいつだったかは忘れたけどそれを言われたのが今日の午前中。
正確な時間も忘れちゃったよ…。
もっと早く言ってくれれば良かったのに、あいつがあまりにも勝手だったから半分飛び出して来ちゃった感じになっちゃって…。
「理由も教えてくれなかったし…それにしても本当、遅いなぁ」
公園の中心にある噴水のある池。
そしてそこにある時計の下で待ち合わせ。
それがこの街に住んでいるカップル達の待ち合わせ場所でもある。
知らない人は誰もいない位、有名なスポットで周りの女の子達も此処を良く使っている。
今日も周りの女の子達が最愛の彼に会っていた。
ワタシよりも遅く来た女の子が最愛の彼に会った瞬間を見ると…。
「うわっ、何か寂しくなってきた…」
さっきまでは沢山の人がいたのに、いつの間にか周りには誰もいなくなってワタシ一人だけになっていた。
もし最初からワタシの様子を見ていた人がいたなら『あ、あの子まだいるよ』みたいな目で見ているかもしれない。
『彼氏に待ちぼうけ食らってるよ…可哀想に』とか色々思われちゃっているかもしれない。
「何か虚しい…」
しかもお昼を食べ損ねたからお腹が空いてきた。
「あー…こうなるんだったら先にお昼済ませてから来るんだったな…」
因みに今日のお昼は確かカルボナーラで…。
「デザートはワタシと同じ名前のプリンだったのになぁ…」
共食いとか良く言われるけどデザートとワタシじゃ全然違うんだからね!
そしてワタシの大好物でもある。
「しかもリンクのお手製だったのにぃ〜!!」
今来ないってことはあいつはきってお昼を済ませてから来るんだと思う。
「何よっ自分だけ!!」
お腹が空いているのとあいつがいつになっても来ないのでイライラしている時だった。