コンビネーション!

□本日のデザート
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「御馳走様でしたっ!!」

出されたご飯はすべて平らげ、満足げな様子。

「気持ちいい位の食べっぷりだな!
作ったこっちも気持ちいい限りだよ!」

心地よい笑顔を浮かべた和音。

こんなにも美味しいといってもらえ、ご満悦のようだ。

「すごく美味しかったです!
本格的な和食で…初めて食べた味です!」

肉じゃがと焼き魚、味噌汁に少しの漬け物なのだが。

「出汁が違うんだよ、出汁が!」

適当なことをいってみせた。

CMかなにかでいっていたような、台詞を。

「出汁ですか?
わかりました、今度秋姉にいってみます!」

それを真に受けてしまった天馬。

少しは疑いなさい。

「適当なこといわないの。
はい、これデザート。
あたしは片付けでもう少しいないけどゆっくりしてってね。」

机の上におかれた白玉ぜんざい。

これも和音の手作りのようだ。

そう伝えるとまたキッチン…台所の方へ消えた。

「そういえば和音先輩って自転車通学ですよね?」

「歩いていける距離じゃないし。」

「でも和深先輩はバス通学なんですね。」

「まあ。」

確かに和深はバスを利用りていたし、和音は自転車通学だった。

「和深は自転車乗らないんだよ。」

「乗れないんですか?」

「乗“ら”ないんだ。
乗“れ”ないんじゃなくて。」

なにやら意味ありげないい方。

「死んだ兄貴のことを思い出しちゃうんだってさ。
オレも和深の辛い顔みたくないし、親もあんまり自転車を使わせたがらないし。」

本当は和音にも自転車に乗って欲しくはないらしい。

しかしバスがいつでもあるというわけではないし、お金もかかる。

だから和音だけは自転車で通学をしている。

「行きは別々でも帰りは一緒に歩いて帰るんだ。
まあたしかにちょっと遠いけど、二人一緒なら。」

ヘトヘトに疲れていても、二人一緒なら笑顔になれる。

ずっとそうやってきた。

「和音先輩って、和深先輩のこと大好きなんですね。
うらやましいです、オレ、一人っ子なんで。」

どうしても憧れを抱いてしまう。

「オレも和深先輩みたいなお姉さんが欲しいです!」


本日のデザートは甘くも切ない憧れの白玉ぜんざい


(和音、天馬となんの話してたの?)

(なんにも。)

(嘘つくんだ…
じゃあ和音の分の白玉食べちゃおっかなぁ〜)

(わーばかやめろっ!!)

(ホント仲いいですね〜!)

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