コンビネーション!

□睨んでるって気づいてない
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練習が終わってからもう何時間たっただろうか。

辺りは暗くなり、それでも練習を続ける和深と天馬。

何度も何度も挑んでくる天馬を軽々しく交わし、涼しげな顔を浮かべる和深。

ボールのキープ力は誰よりも高い。

天馬もムキになり、何度も何度も挑んでは負けている。

「もう一回お願いします!」

「まだやるの?
もう暗いじゃん…和音が夕ご飯作って待ってるんだけど…」

先に帰って祖母と夕食の準備をしているはず。

今日は二人の大好きな肉じゃがを作るといっていた。

「え…じゃああと一回だけ!


「あ、待って…
あと二十分でバスがきちゃう…
えっと、お詫びにうちにこない?」

折角もう一度といわれたが、生憎このバスを逃すと次のバスまでかなり時間がある。

「え…いいんですか?」

「勿論。
夕ご飯ご馳走するよ!
まああたしは作ってないけど…」

料理が苦手で、食事の準備も手伝えない。

でもその代わり洗濯物を畳んだり食事の片付けをしたり。

「えっと、じゃあお邪魔します!」

「よし、じゃあ早く着替える!
バスが来ちゃうよ!」



「えぇぇぇ!?
ここが和深先輩んち!?」

塀で囲われた、大きな屋敷。

大きく葛城と彫られた表札。

門をあけると松や池、鯉。

「なんで敷地内に池があるんですか…
おかしいです…」

「うちの家、代々続いている老舗高級和食料理屋なの。
まあ、それのせいだよこんな家。」

家は殆どが畳張り、襖を開ければすべてが繋がる無駄に広い部屋。

「でも一度こんな家に住んでみたいです!」

「じゃあ今度泊まりにくる?
ばあちゃんも喜んでくれるよ!」

孫がもう一人できたと喜ぶだろう。

「さ、入って!」

「あ、はい!」



「いらっしゃい天馬!
もっと早くからくるっていってくれてたらもっとうまい飯用意したのに…」

ぱたぱたと廊下を走りながらきた和音。

オシャレなエプロンをしている。

「なんか和音先輩、新妻みたいですね!」

思ったことをストレートにいってしまった天馬。

「新妻っ!!」

お腹を抱え笑い始めた和深。


睨んでるって気づいてない後輩が一人


(天馬ーーっ!!!!)

(ちょっと和音、顔怖いって!)

(先輩なんで怒ってるんですか!?)

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