コンビネーション!

□リスタート
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「円堂監督、最近梓さん来ませんね…」

二週間くらい顔を出していないような気もする。

いつもなら三日に一度くらいきて、ディフェンスの指導などをしているのに。

「梓のやつまた入院したんだ。
痛みがぶり返したらしく殆ど歩けないらしいんだ。」

最近ずっと天気が悪い。

それのせいなのか、否か。

「霧野、今度神童と二人でお見舞いにいってやれよ!
梓には俺からいっておくからさ!」

「は…はあ…」



次の日曜日の午後。

霧野は梓が好きだと円堂から教えてもらったチョコのケーキを、神童は見舞いの花束を持ってきた。

【コンコン】

「あ、はーい、どうぞ!」

中から返事が聞こえた。

神童、霧野は梓の病室に入った。

「いらっしゃい、来てくれてありがと!」

机の上に並べられたらたくさんの本をまとめながら笑顔でいった。

「これお見舞いの花とケーキです。」

「わーありがと!
ごめんね、ちょっと調子悪くてさ、病院に蜻蛉返りだよ…」

花とケーキを一旦机の上に置いた。

「よくお見舞いには切り花がいいっていわれてるんですが…」

“意外とかわいいものが好き”と春奈がいっていたので、かわいくラッピングされた鉢植えの花にした。

「うん、僕は病気で入院してるわけじゃないから気にしないし、こっちの方が長持ちする。
しかもかわいいし!」

ほっとした表情を浮かべた神童。

この花を選んだのは神童だから。

「あの、梓さん、質問してもいいですか?」

「ん、いいよ?」

一生懸命手を伸ばし、本をしまい始めた。

その本のタイトルは「サッカー監督の手引き」

本というよりはテキスト…教科書みたいだ。

「梓さんは選手辞めちゃうんですか…?」

同じディフェンスの選手として憧れだった。

女子サッカーを嫌いではなく、梓や小鳥遊忍のファンである。

「まだ辞めないよ。
まだMVPになったことないし、未完成の技だってまだある。
その二つを達成しなきゃ、辞められないよ!」

痛む膝をさすった。

こんな所で立ち止まってられない。

やるべきことを知っている、戦う女性の、力強い眼差しだった。

「オレも…サッカー辞めません。
絶対自由なサッカーができるようにフィフスセクターを倒してみせます。」


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(うん、いい目。
取り敢えず蘭丸君が買ってきてくれたケーキ食べよっか!
えっと…お皿は…)

(あ、オレやりますよ!)

(ありがと、拓人君!
あ、ここのチョコケーキ大好きなんだよね…!)

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