コンビネーション!

□庇ってくれた、うれしかった
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ある日の部活中。

オレは教室に忘れ物をしたのに気づき、部活を抜け出し取りに行った。

明日提出の宿題だから、忘れるわけにいかないんだ。

そしたら和深も筆箱を教室に忘れたらしく、ついでに取ってきてと。

パシりかよ…

でもまあ同じ階だし、ついでだし。

オレの教室の方が奥だから、先にオレの方に行ってからにしよう。

和深の教室は2−2で、階段から結構近い。

オレの教室は2−8、ぶっちゃけ階段からすごく遠い。

下駄箱の近くに二つ階段があって、後半クラスに行くのに近い階段もあるけど、部室からだと遠い方の階段になってしまった。

『……!……っ!!』

『……?……!』

和深のクラスがうるさい。

なんだろうと思って先に行くことにした。

「げ…葛城…!?」

「タイミング悪すぎ…」

和深のクラスの女子。

「な…なにを?」

机の上に広げられたらノートに大きく「シネ」と書かれていた。

なんだか悪い予感がする。

「なんでもいいでしょ。」

「それよりさ〜あんた、最近調子のり過ぎじゃない?
この前初出場決めて、男にちやほやされて何様のつもり?」

もしかして、和深と間違われてる…?

「あんまり目立つとホントに潰すよ?」

「二度とサッカー出来ないようにしてあげよっか〜?」

ゲラゲラと笑う。

下品すぎる。

「なんかいったらどうなのよっ!!」

女子の平手がくる。

オレは呆気にとられ、動けなかった。

「あんたらさ、マジ格好悪すぎ。」

平手はこずに、聞き慣れた女子の声が聞こえた。

「げ…瀬戸水鳥じゃん!!」

「に…逃げようっ!!」

そういうと逃げていく二人。

「大丈夫か、和音。」

「あ…ああ…」

ポロポロと涙が流れてきた。

なんでかな、とまらないんだ。

「悪いな、和深から口止めされてたんだ。
あいつ、一部の女子から虐められてるんだよ。
二年になってからはあんまりなかったんだけどな。」

しらなかった。

ずっと、誰よりも和深の側にいたはずなのに。

しらなかった、しれなかった…

「まああたしが結構追っ払ってんだよ。
茜も、怒ると怖いんだぜ。」

「ごめん…瀬戸さん…
そういうのはオレがやらなきゃならないのに…
和深はオレが守らなきゃなのに…」

オレは男だから、和深のこと、守らなきゃなのに…

「水鳥でいいよ。
あたしは好きでやってんだ。
それに今日のことは和深に内緒な。
このノートはあたしが処理しとくから。」

心無い文字がかかれたノートをかたしはじめた。


オレたちを庇ってくれた、うれしかった


(ありがとう…水鳥…)

(いいよ。
お前らが笑っててくれればそれだけで。)

(なんだそれ…でも、和深の悲しむ姿はもうみたくない。)

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