コンビネーション!
□僕の好きな飴をあげる!
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side:梓
今から二ヶ月前、僕は稲妻総合病院に入院してた。
地元だし、何かと便利。
昔からの知り合いの先生もいるし。
そこで、元サッカー少年と知り合った。
*
豪炎寺君のお父さんの提案で、入院しているこの病院でイベントを開くことになった。
膝が動かないから僕自身も車椅子、みにきてくれた子供たちも車椅子や杖をついてるこが多かった。
そのイベントで一人、中学生位のこがいたのを覚えてる。
優しそうな瞳をしていた。
そのときはリハビリの時間とか、チームメイトがお見舞いにくるとかで時間がなかったからお話は出来なかった。
次にあったのはリハビリのとき。
「いーたーいー!!
痛い痛いやめてー!!」
膝の曲げ延ばしの練習のとき、僕は床のマットの上で、彼は歩く練習をしていた。
「梓さんももう大人なんですから、そんなに騒がないでくださいよみっともない…
優一君に笑われますよ。」
僕の膝を曲げ延ばしながら苦笑する、井上さん。
「優一君って?」
「あのこですよ、あの歩行練習中の彼。
剣城優一君っていうんです。」
【ガタンッ!!】
「優一君、少し休憩しないか?
焦りは禁物だよ。」
優一君の額にはうっすらと汗が滲んでいた。
「そーそ、無理はダメ。
こういうのは長期戦、焦ったって疲れちゃうだけだから!」
僕も昔経験した。
歩きたいのに歩けない屈辱感、やりたいことが出来ない焦燥感。
それが溜まりに溜まって熱を出し、結局何日もリハビリを休まなきゃならないときもあった。
「風丸…梓さん…?」
「あ、はい。
はじめまして、僕が風丸梓です!」
直接話したのは初めてだから、はじめましてでいいよね?
「剣城優一です。
俺、10年前のイナズマイレブンの大ファンなんです!
一番好きなのは豪炎寺さんなんですけど、梓のことも大好きで…その、お話しできて光栄です!!」
キラキラと目を輝かせた優一君。
大好きなんて、初めていわれたからなんだか照れくさい。
「優一君の病室ってどこ?
今度いいもの持って遊びに行くよ!」
お近づきの印に、僕の好きな飴をあげる!
(315です!)
(うんわかった、必ず遊びに行くから!)
(梓さんサボってないでくださいよ…)
(いたたたたたっ!!)