コンビネーション!

□思い出せば、笑顔が溢れる
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side:??

久し振りに実家に戻ってきたから、部屋の掃除でもって思ったのが三日前。

でも痛む膝を抱えた僕。

休み休み続けているのに、まだ終わらない。

暫くは実家にいるつもりだから、早く終わらせないと春奈をうちに呼べない。

春奈は今年、十年前からの夢を叶え学校の…しかも雷門中の先生になった。

サッカー部の顧問になって、円堂君は監督になった。

十年って長いんだなって思った。

みんな変わった。

僕も、変わった。

すっかり大人になった兄さんは今も変わらずファンがたくさん。

うらやましいとか思ったりもする。

そう言えば円堂君って結婚したんだよね。

吃驚した。

まさか夏未さんと結婚するなんて。

うらやましいなぁ…

僕も結婚したいなぁ…

職業柄あんまりそういうのには縁ないし…

「まだ片付けしてるの?
今日で三日目じゃない?」

開けっ放しの障子、縁側から母さんが顔を出した。

「膝痛いんだもん。
全然はかどらなくて…」

つい二ヶ月くらい前かな、試合中に相手のスライディングを左膝にもろにくらって、一ヶ月半の入院を経て今は自宅療養。

大きめな海外の大会だったのに。
でも久し振りに稲妻町に戻ってきた。

全然変わってないけど、すごく変わった。

毎日通った雷門中も、今ではサッカーの強豪校。

廃部寸前だったなんて信じられない。

「自分のペースでもいいから、転ばないようにしなさいよ?」

「はーい。」

まだ色々床に散らばってる。

これじゃあ転んで余計膝悪くしちゃう…

中学んときほどものは多くないけど。

早く片付け終わらせなきゃ。

「何にやにやしてるんだよ。」

「兄さん!?
久しぶり…こっち戻ってきたの…?」

兄さんたしか今はちょっと稲妻町を離れてたはず…

「二週間くらい地方だったんだよ。
俺が地方のときに帰ってきたのはお前の方だろ?」

「まあね。
また兄さんを毎日みれるなんて!
中学生に戻ったみたい!」

高校は自宅から通ってたけど、すぐにスカウトされたからなかなか兄さんにあえなくて。


思い出せば、笑顔が溢れる


(手伝うよ、片付け。)

(ホント!?
ありがとう兄さん!)

(その脚じゃ辛いだろ?)

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