コンビネーション!

□同じだけど、違う
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「それでは!」

「サッカー部恒例!」

「「和深ちゃんはど〜っちだ!
をはじめまーす!」」

髪をほどき、ジャージに着替え、泣き黒子には絆創膏。

ご丁寧に左右につけてある。

前髪の分け目も直し、ヘアピンも外した。

もうどっちがどっちだかわからない。

「今日の回答者(犠牲者)は、松風天馬!」

「さあ、和深ちゃんはどっち?」

双子の気が向いたときにやり始めるゲーム。

他の部員とはもう一年も一緒にいる。

だいたい当てられてしまって、詰まらないと思っていたところだ。

ずいずいと近づいてくる、双子。

「え…あの…その…」

かなり焦ってる。

「信助、わかる?」

「うぅんわかんないよ…」

信助にヘルプをだすも、わからない様子。

「えー、もうgive up?」

「せめて当てずっぽうでも答えてよー!」

和深を当てるゲームのため、和音も和深の口調に合わせている。

左右対象に首を傾げた。

「お、葛城双子、何やってんだ、楽しそうだな!」

ウィーンと音を立て、自動扉が開いた。

入ってきたのは円堂守。

「監督!
今、和深先輩を当てるゲームをやってるんですが…」

「監督、わかりますか?」

「う〜ん…」

少し迷ったようだが、直ぐに閃いた。

「こっちが和深だな。」

左側にいたほうの頭を撫でた。

「え…?」

驚いた双子。

当てずっぽうなんかじゃない。

円堂にはわかっているようにみえた。

「どうだ、正解か?」

「あ…当たり…」

答えたのは和音だった。

「どうして!!
どうしてわかったんですか!?」

絶対当てられない自信はあった。

なのに一発で当てられてしまうなんて…

「わかるよ、オレはおまえ等の監督だろ?」


同じ顔、同じ声だけど、全然違う。


(やだ、なにそれストーカーですか!?)

(なんでそうなるんだよ!!)

(素直じゃないね、和深…)

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