コンビネーション!

□大っ嫌い!!
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帰りのホームルームの鐘が鳴ってから、約五分。

サッカー部棟の更衣室兼談話室の扉が開いた。

今日の一番乗りは和深。

どうせ着替えなきゃならない、更衣室一番乗りでよかった気がする。

溜め息を吐きながらロッカーをあけ、荷物を入れた。

学年カラーの水色のリボンを外し、ボタンを外し。

「お、和深!
早いな、帰りのホームルームはどうした?」

ちょうど脱いだか脱がないかのタイミングで、円堂が入ってきた。

「きゃっ…きゃああああ!!」

「うわああああ!!」

すぐさまシャツを着る和深。

両手で目をふさぐ円堂。

チラリと指の間だが開いている…。

「出てってください!!
今すぐ!!あたしがいいっていうまで校庭でも走っててください!!!!」

顔を真っ赤に、涙を浮かべながらいった。

円堂は一目散に更衣室から出ていった。



「何、今日の和深すげー機嫌悪いじゃん。」

「円堂監督に着替え覗かれたんだってさ。」

「ちゅーか、和深の絶壁みてもおもしろくなくね?」

「絶壁だもんな…」

見事なまでの絶壁。

この絶壁だからこそ、和音と入れ替われるのだが。

「そんなに絶壁絶壁いわないでよ!!
もうやだ帰りたい…心折れそう…」

折角円堂守のことを少しだけ信用出来そうだったのに…

「なんだ、和深帰るのか?
折角シュートみてやろうと思ったのに。」

「なんですかそれ、ベンチのあたしに対するイヤミですか!?」

一軍にあがってから三ヶ月。

練習中もなかなかシュートの精度があがらず、なかなか試合にもでれない。

二軍にいた頃はFWだった。

点の取れないFWなんて、チームに必要ない。

故に殆どベンチに座った状態で試合が終わってしまう。

「これからは機会があったらどんどん選手交代もする。
勿論雷門の紅一点、和深も使うからな!」

くしゃくしゃと頭を撫でられた。

「どうしてあたしばっか構うんですか!?」

「似てるからだよ、あいつに。」


あたしはあなたが大っ嫌いですっ!!


(そんなの理由に構わないでください!!)

(おいこら!
女の子なんだからもっとおしとやかにしろよ!)

(うるさいっ!!)

(和深のやつ荒れてんなー)

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