コンビネーション!

□周りなんてみえない
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サッカー部棟、更衣室。

男子たちを待たせ、優雅に広い更衣室を占領しているマネージャー二人、選手一人、その他一人。

「もう暑い!!
最近暑すぎてやってらんない!!」

制汗スプレーを全身吹きかけている和深。

柑橘系のいい匂いがする。

「一気に暑くなったもんね。」

汗拭きシートで汗を拭く茜。

今日は黙っていられない程暑く、ひどく汗をかいた。

「休憩の時に出すドリンクの量、増やした方がいいですか?」

熱中症対策のためにも。

「そうだね…
春奈先生にいっておくよ!」

休憩時間も少し増やした方がいいかもしれない。

「和深ちゃん、これ今日の和深ちゃんの写真だよ!」

着替え終わった茜が愛用のカメラを取り出し、みせた。

「うっそはずかしい!!
やだ…汗だくじゃん…」

キラキラと汗が光る、シュートした瞬間の写真。

ゴールとボール、両方をしっかり見据えたその眼差しは真剣そのものだった。

「いい感じの写真じゃねーか!
てか茜って、神童以外の写真も撮ってたんだな…」

普段は神童ばかりを撮っていたのでてっきり。

「マネージャーになったんだもん。
しっかり記録しなきゃ。」

「私も頑張ってますよ!
タオルの用意とか、ドリンクの用意とか!」

負けじと対抗心を燃やす空野。

「二軍のみんなと一緒にマネージャーもみんな辞めちゃったから…助かってるよ!」

二人が入部してくれなかったら、マネージャーなしで部活をやることになってた。

「二人がマネージャーに入らなかったら、あたしが選手辞めてマネジになろっかなって思ってたけど…」

覚悟は出来ていた。

もしものことがあったら、マネージャーになる。

どうせフィフスセクターに深く干渉されれば選手としてはいられなくなる。

雷門がAランクのチームだから、和深は選手でいられる。

「よかったな、和深!
あたしらが入部して!」

「水鳥はマネージャーじゃないけどねー」


突き進むあたしに周りなんてみえない


(あたしはめんどくさいの嫌いなんだよ)

(そんなこといわないの、水鳥ちゃん)

(なんか二人って姉妹みたいだね!)

(茜先輩の方が上の!)

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