コンビネーション!

□コンビネーション!
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【コンコン】

「あ、どうぞ!」

気持ちがいいくらいに晴れ渡る空、気持ちよい風。

カーテンがふわりと舞う、穏やかな午後。

「和深ちゃん、きたよ!」

簡単な英語で書かれた本を読んでいたときに入ってきた。

梓だ。

「梓さん!
今日はリハビリいいんですか?」

「今日は午前中に済ませてきたよ!
優一君と一緒にね!」

一緒といっても同じ時間、同じ部屋なだけだが。

「優一さんって、剣城のお兄さんでしたよね?
なんだかんだでまだ会ったことないなぁ…」

一週間位入院しているが、まだ会ったことがない。

剣城に似ているのか、はたまた全く別の顔なのか。

「じゃあ今日優一君のお部屋に遊びに行こうよ。
きっと喜んでくれるんじゃないかな、和深ちゃんかわいいし!」

「か!?
かわいくなんかないですよっ!!
それにあたし今顔に怪我してるし…」

額と頬に一つずつ大きな絆創膏が。

「大丈夫、それも含めて和深ちゃんなんだから。
それに病院なんだから、怪我してる人だっているもん!」

和深の絆創膏、梓の膝、優一の脚。

怪我人だらけだ。

「もうほら行くよ、早く!」

急いでと急かしながら和深の腕を引いた。

「わかりました行きます、行きますからっ!」



「和音先輩、和深先輩の病室ってこっちじゃないですよね。」

「いや、多分こっちにいる。
弟の勘ってやつだよ。」

行き先が同じということで一緒に着た和音と剣城。

どうも和音の行き先が違う。

「ここ、兄の部屋なんですが…」

「そうなのか?」

コンコンとノック音。

返事が聞こえると、扉を開けた。

「兄さん、今日は賑やかだね。」

中にはいつもと同じくベッドにいる兄、部活の先輩、たまに部活に来る雷門サッカー部のOG。

「京介!
梓さんが和深ちゃんをつれてきてくれたんだ。
ずっとサッカーの話をしてたんだ!」

「和音、よくここだって気づいたね。
あたし今日はじめてここにきたのに!」

剣城の後ろにいた和音に駆け寄った。

「へえ、君が和深ちゃんの弟の和音君か!
噂通りそっくりだね!」

二人並ぶと更に際立つ。

「「だって、双子ですから!」」


コンビネーション! 二人いればなんだって!


(息もぴったりだね!
京介、俺たちもやってみるか!)

(は!?)

(剣城ーやってよ!)

(誰がやるか!!)

(こら、先輩たちに向かってそれはないだろ!)

(……。)



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