コンビネーション!
□幼かったオレたち
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side:和音
オレたちが中学に入学したばかり。
髪もまだそんなに長くなくて、でも二人揃ってポニーテールにしてた。
サッカー部の入部テストの時に、倉間、速水、浜野、一乃に青山と知り合った。
入部テストは和深も難なく合格し、全員二軍に配属された。
早く一軍に行きたいなって、思ってた。
神童、霧野はホーリーロード前に一軍に上がり、少し遅れて倉間、速水、浜野が一軍にあがった。
残ったのはオレと和深、一乃に青山。
神童はいつの間にか一軍のキャプテンになり、他の四人も一軍になくてはならない存在になっていた。
オレたちも二軍で頑張ったよ。
一乃がキャプテンに選ばれて、青山が実質副キャプテン。
オレも和深も、スタメン出場、フルタイム出場だって多かった。
でも一つだけ問題があった。
和深の身体。
体格にはそれ程違いはなかったけど、やっぱり男と女。
力の面で押し負け、いつも怪我ばかりだった。
一番ひどい怪我は左肘。
肘から手首にかけて大きな傷が走り、今もうっすらと傷痕が残ってる。
血だらけになりながらも試合を続け、結局次の日から一週間近く包帯ぐるぐる。
たしか何針か縫ったはず。
見てて痛々しかった。
それが二軍時代。
ホーリーロードが終わってしばらくしてから、水森、小坂と一緒に一軍にあがった。
憧れの一軍ユニフォーム。
二軍のそれと同じデザイン、色違いだけど、なんだかとっても嬉しかった。
ベンチだったけど、それはそれで充実してた。
二年になってすぐのあの事件。
二年になったからって髪型を変えた、その日に起きた。
二年になってから色んな出来事が目まぐるしく襲ってきた。
そのせいもあって、オレたちはどんどん成長していく。
和深より背が伸び、和深の断崖絶壁が少し成長し、好きな人も出来た。
きっと和深にも好きな人が出来ただろうし、もしかしたらもう付き合ってるのかもしれない。
どんどん離れていく。
幼かったオレたち、もうあの頃には戻れない
(姉離れが必要な時期)
(けじめをつけなきゃいけない時期なのかもしれない…)